第十二話

「ごめんねぇー。また、壊しちゃった」


「問題ないですよ。それより妹さんでなく、お姉さんのあなたが来るの、珍しい」


「あの、看病するって。最強でも、さすがに、ラビットパンチならぬ――ラビットヘッドバッドは」


「ははは、いくら最強でも、ダメなものは駄目だから、ね。それにしても、愛されてます、な」


「先祖のアイツと同じで。姉の私よりも先に、妹を招き入れやがった、し」


「遺伝子継承しましたね――天の邪鬼の」


「そのおかげで。私たち姉妹に、気づけたんだけど」


「その力があるから、こそ。十八の神授しんじゅを扱うことができてるんですけど、ね」


「まぁーねぇー」


「しかし……。世界最強を争って闘ったときに壊されてから、大幅に技術開発部が改良した。衣、鎧、盾を。大したもの、ですよ。舌打ち、で」


「たっだの舌打ちなら、よかったんだけど。まさか高次元物質を器用に粘膜状にして、口内に張り巡らせ。そのなかで調律して、超音波メーザーを放つとは」


「その説明だと。上手そうに、聴こえますね――口ねぶり」


「食らった、本人も同じこと言ってたわ」


「たくましく育ちましたね。それは」




「じゃ、帰る。ぁ! 妹がこれ、みんなで食べてって」


「まぁー! もう、新作が出てますの!?」


「出るわ、出るわ――コンビニスイーツ。美味しいのはいいんだけど、も、入れ替わりが激しいのが、なんとも」


「わかりますぅわぁー。お気に入り、だったのが無くなってる悲しさ」


「でも、最悪――幻談げんたん都市としなら、復刻版として再販してくれるから」


「マジで!? あなたの国、ヤバ、ヤバ、です、わ!!」


【広報部】

「本件に関する詳細情報は、下記リンクよりご確認いただけますので、ご参照のほどよろしくお願い申し上げます」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054933936413

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