第十話

「悪いわ、ね。迷惑かけたみたいで」


「いえ、いえ。こちらこそ、兄の国のおてんば姫を助けていただきました、し」


「それにして、も、戦績。一勝、五敗、一引分って――元、八百万やおよろずの神の頂点とは思えない――ほど、かんばしくないわーぁー」


「五敗のうち一敗は。不利な条件に偏り、あり過ぎました、から」


「それを差し引いても。弱くなってる、わーぁー」


「まだ。こちらの宇宙せかい選定者の因子くうきに慣れていない、ご様子で」


「それも、あるけど。あの娘、ずーっと雑魚ざこりしてるから、腕が鈍った、の、よ。つい最近まで、"Jack The Giant Killer大物食い"をさせ。死線を越える鍛え方させてた意味――忘れてる、わ」


「大物食い。と、まではいかないにしても、食べごたえある者たち。ご用意してありますから」


「ぁー。初戦で敗走させた、シャインマスカットの最高品質。とか、かしら」


「ぇーっと。太陽の騎士シャイン・ナイト、歴代最強。なのですが」

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