『読みやすい作品』について考える。ファミレス編
various(零下)
「読みやすい作品」について考える。ファミレス編
執筆した作品を読みやすくする努力は必ず必要だと思っています。
しかし、私の作品にも「読みやすくない」作品や「読みにくい」作品があると思われます。昔に書いた作品は、特に。
では、「読みやすい作品」とはなんだろう。
縦書きする際の読みやすさと、横書きする際の読みやすさは別物だと思っています。
今回は、横書きする際に「読みやすい作品」とは何かを考えていこうと思います。
長らく答が出ませんでしたが、ファミレスで例えたら、なんとなくわかったような気がします。
✴︎一ページの文字数が多い作品をファミレスで例えます。
もしも、テーブルの上に端から端まで料理を並べられたとしたら、「こんなに食べられないよ!」と思うはず。
文字数と情報量は比例すると思っています。
小説も同じで、情報という名の料理をテーブルの端から端まで並べられたら、「こんなに食べられないよ!」と思うはずです。
情報。これが、読者が「こんなにたくさんは頭に入ってこないよ!」と思うような多さだと、「読みやすい」と感じない作品になるのかもしれない。
読者に「もうお腹いっぱいだよ!」と思わせてはダメなんだと思う。
✴︎画面上に隙間なく文字がぎっしりと書いてある作品をファミレスで例えます。
メニュー表を開くと、すべての料理名が、くっ付いている。
ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。ココレチ。エカ。ブリゾーラ。デカ。アカラジェ。エコラハ。ダハツナ。ホンオフェ。ヴィッサ。パナハ。クファシニツァ。ヘッテーワ。コンチキンパ。
情報過多で、なにがなんだか分からない。
「なんなんだ、このメニュー表は! どれが料理でどれが飲み物か、全然分からない!」
改行や空白もなく、テーブルに文字という料理がぎっしりと置かれている場合、やはり「こんなに食べられないよ!」となるはず。
文字。これが、読者が「ソーセージみたいに連なっていたら、読みにくいよ!」と思うような改行や空白の少なさだと、「読みやすい」と感じない作品になるのかもしれない。
作者には、読みにくいとは感じない場合が多いでしょう。自分で書いた文章だし、推敲する際に何度も読み返しているため、内容が頭に入っていますから。
しかし、読者にとっては未知の世界です。
上記の片仮名の羅列ですが、なにが書いてあるのか分かった人はいますか?
上記の片仮名は、『世界の珍しい料理』にシンハラ語の数字を適当に挟んでいます。
すべてが料理名ではなく、数字の読み方が挟まっているのですが、気付きましたか?
ヒントは、韓国料理のホンオフェです。世界で二番目に臭い料理として有名です。
シンハラ語とは、スリランカ人口の七割を占めるシンハラ人が使う言語です。スリランカ北部で暮らすタミル人は主にタミル語を使います。国内にいながら使う言語が異なる国で、他にも英語も使います。
どれが料理名で、どれがシンハラ語の数字か、分かりましたか? 私は分かります。
数行ほど書いた文章をコピペして長文にしましたが、気付きましたか?
そもそも、上記の片仮名の羅列を読み飛ばさずに真面目に読んだ人は、いったい、どれだけいるだろう。
こんなふうに、未知のものを読み、頭にいれる行為は難しい。小説は参考書ではないため、肩の力を抜いて読みたいですよね。
✴︎改行が多い作品をファミレスで例えます。
改行という名の料理が、レストラン内にあるテーブルのあちこちに、ポツンと置かれている。
サラダは目の前のテーブル。肉料理は玄関付近のテーブル。デザートはドリンクバーの脇のテーブル。
「注文した料理を、あちこちのテーブルに置かれたんじゃ、取りに行くのが大変だよ! 食べにくいよ!」
改行。これらが、読者が「こんなに文章と文章が離れていると追いかけたくなくなるよ!」と叫ぶような多さだと、「読みやすい」と感じない作品になるのかもしれない。
読者に「文章を追いかけるのは、もう嫌だよ!」と思わせてはダメなんだと思う。
✴︎一ページの文字数が少なすぎる作品をファミレスで例えます。
メニュー表を開いてみたが、「本日のメニュー」としてカルボナーラしか載っていない。
しかし、待てよ。なになに、「メニューは日替わりで、毎日決まった時間にご提供いたしますので、是非とも食べに来てください」
なるほど。カルボナーラしか食べられないとなると、ちょっと物足りない。でも、日替わりで絶対に違う料理が食べられるなら、食べたいな。ちょっと物足りないから、ちょうどいいや!
まずはレストランに興味を抱かせ、すぐに食べられる予定の料理を「楽しみだ」と思わせる。さらには、「このレストランに、また行きたい!」と思わせる。
一話の文字数は少なくても、更新速度が早く、決まった時間に作品を公開している作者がいます。毎週一回更新、一日一回更新、一日複数回更新。
様々ありますが、読者に「この作品をまた読みたい!」と思わせるのが上手い作者の作品は、大勢の人に読んでもらえるし、PVも星の数も増えていく。
✴︎まとめ
レストランで料理を提供する際、お客様が食べやすいように配慮する必要がある。配慮を怠ると、客足は遠のいていく。
不衛生な店は嫌われるため、ゴミは掃除して片付ける。
テーブルとテーブルが離れすぎている場合や、くっ付きすぎている場合には、配置換えをし、お客様が食事をしやすい距離を保つ。
料理に興味を持たせ、明日もまた行きたいと思わせる。お客様が来店しても大丈夫なように、料理を用意してお待ちする。
小説投稿サイトで小説を公開する際、読者が読みやすいように配慮する必要がある。配慮を怠ると、読者は遠のいていく。
余計な情報や文字、改行などは掃除して片付ける。
文章と文章が離れすぎている場合や、くっ付きすぎている場合には、配置換えをし、読者が読書をしやすい距離を保つ。
ここまでは、たぶん、「読みやすい作品」を書くためには必要だと思われます。
小説に興味を持たせ、明日もまた読みたいと思わせる。読者がログインしても大丈夫なように、最新話を用意してお待ちする。
これができる作者は、やっぱりすごい。
『読みやすい作品』について考える。ファミレス編 various(零下) @2047
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