【ちょっとHな限定小説】 ククルスドアンの店Ⅰ

@maetaka

第1話 エッチになりたい方は、どうぞ♡ここに、何人かの男たちの名前が、書かれています。この名前に、ピンときた方!ククルスドアンに、いこう?

 とある世界に、ククルスドアンの店という、Hな店があるという。

 この名前に、ピンときた方は、ご用心!

 「タツミ、ヤマシタ、スナガ、タカクラ、タナカ、クマダ、オオウチヤマ、ヨシユキ、ワカツキ、シンカイ、オカムラ、イケダ…」

 彼らは、皆、ウミソラ学習塾で働いていた、非正規の講師たち。弱い立場の、労働者。

 元気だったのは、生徒くらいか?

 「ねえ?」

 「何だよ?」

 「だからあ…」

 「セクシーでHっぽい声を、出すなって」

 「悪かったわねーだ!」

 「…で、何?」

 「コロンバインの花の花言葉って、何だったかな?」

 「コロンバイン?」

 「うん。オダマキともいう、あの、花。何だか、無性に、気になってきちゃってさ」

 「コロンバインの、花言葉?この前、ツバキ先生が言っていたじゃないか?」

 「そうだっけ?」

 「コロンバインの花言葉は、あの方が、気がかり…」

 「やるう!」

 「あの方…」

 「あの方…」

 「組織の、あの方…?」

 「俺は、ククルスドアンの店のほうが、気がかりだ」

 「俺も、まぜてくれ」

 「俺も」

 「俺も、友だち!」

 「ククルスドアン?」

 「アムロ?」

 「ナミエ?」

 「ちげーよ。たぶん」

 講師のツバキは、聞こえないふりをして、板書を続けた。

 「ククルスドアンって…」

 「エロい店、なんだろう?」

 「学習塾で、言うことか」

 「どこに、あるんだ?」

 「知らん」

 「男は、話が長い」

 「自分で、いうな」

 「リア充なんだよ!」

 「やべ、隠れろ」

 「何で?」

 「ツバキ先生に、当てられないか?俺、問題、聞いてなかった」

 「あ…当たれえ!」

 「ニュータイプか、お前は」

 ざわざわ…。

 ゆるい社会に生きる高校生たちは、強かった。

 「さっきの、ニュータイプって、何だ?」

 「バ先で、DVD観た」

 「エロいなあ」

 「うちらの高校、バイト禁止だろ。誰の、バ先?」

 「兄貴の」

 「そうか。俺、きゅんだな」

 「それなら…」

 「それ、なら。それ、わかやま。南紀しらはま」

 「ククルスドアンの店に、いってみたいぜ」

 「…あ」

 「何?」

 「俺の、下半身が…」

 「お前!」

 ツバキの板書の手は、小さく、震えていた。

 「これが、非正規の、最後の授業なのに…」

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