17 シテイン王国見学(3)

男たちは叫びながら少女に近づき、

少女を掴み上げようとする……が。


1人の男が少女を掴み上げた瞬間、

その男が扉へと吹き飛んだ。



「……は?」



その光景を見た別の男からそんな声が漏れると

同時にその男も玄関へと飛び上がった。


その様子を見た残りの1人は慌てて逃げかえるのだった。


すると、少女はコウの下へ睨みつけながらやってくる。



(まさか……俺も投げ飛ばす気なのか?)



コウがそう思っていると、案の定、

少女はコウの襟元を握ると、力を込めた。



(っ……この少女の力、強いな!

だが……その程度で俺は投げられないぞ)



コウはそう思いながら踏ん張る。



「貴方もこの店をb……っ!?」


「どうした? 俺を投げないのか?」



ニヤリとしながらコウがそう告げると、

店主の男が慌てて少女を止めた。



「テテっ! 彼は違うっ!」


「えっ? そ、そうなの?」



テテと呼ばれた少女はそう言うと、

戸惑いながら手を離した。



「ご、ごめんなさい……」


「いや、大丈夫だ」


「何が大丈夫なの? コウ?」



コウの言葉に突然玄関からそう返事が返ってきた。


そして、そこには



「あぁ、ボウか。 もう宝石は良いのか?」


「うん、楽しかったよ?

それよりも大きな音と一緒に男の人が

飛び出したと思ったらその店の中に

コウが居たからびっくりしたよ」


「あぁ、それはなこの少女が……」



コウがそう言い少女を探すが、

店の何処にも見当たらなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る