02 嘘か秘密か

コウがお風呂へと向かっていくのを

見送ったボウとルーベルは

コウが居なくなったことを確認すると、

ゆっくりと、椅子へ座った。



「まだ……言わないのかの?」


「……はい」



ルーベルの言葉に下を向きながらボウは答えた。



「どうしてじゃ?

コウならきっと本当のソナタも受け入れてくれるぞ?」


「わかっています……でも、もしものことを考えると」


「まだ言えないか?」


「はい」



そう呟くボウを見ていたルーベルは暫く考えた後、

あることを閃いた。



「そうじゃ! 来年からオルテンシア学園に二人とも

入学するじゃろ?

その時に女子生徒の服を着たらいいんじゃよ!」


「いやですよっ!!」



ルーベルの提案をボウは即座に否定した。



「なぜじゃ? それなら勝手にばれるからよいじゃろ?」


「それなら、自分で言った方がマシですよっ!」


「そうか?」



その後、しばらく話したボウとルーベルは

それぞれの部屋に戻り、眠りにつくのだった。

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