第3話
みくは一旦つばをゴクンと飲み込んでから、ゆっくりと話しを続けた。
「お昼を食べ終わってお会計を済ませていた時に、ココがトイレに行ったんだけど…
それから三十分くらい戻ってこなくて。なんだかトイレがすっごく混んでたみたいで…」
〘ん??いくら混んでいたとしても、トイレに三十分は長すぎる。…それにココはそんなこと一言も言っていなかったな。何かあったのでは?その時のことについてココにもう一度聞いてみよう〙
「みく、ありがとう。」
ゆめは再びココに話を聞いてみる。
「ココ、昼食を済ませてからトイレに行った時に三十分もかかったって聞いたんだけど、何かあったの?」
「お昼ご飯を食べて、みくに会計をお願いしている間に、二階のトイレに行ってみたら、階段の前まで行列で…」
〘確かに、あそこの二階のトイレって、男女兼用で一つしかないから、食事時には結構混むんだよね〙
「そこに並んでいたんだけど…そしたら十分以上出てこない人がいて…その人、やっと中から出てきたと思ったら…いきなり走って出てきて、そのまま階段で下に降りて行ってしまったの…」
「どんな人だったか覚えてる?」
「全身黒い服装の人。一瞬だったし、見た時には後ろ姿だったから、顔は覚えていないんだけど…背が高くて男の人みたいだった。」
〘…全身黒服で背が高くて男の人かぁ…〙
「他には何か覚えていることはない?」
「…いや、特には…」
〘これ以上は情報がなさそうだな…〙
「ココ、ありがとう」
〘さて、次はどうするか…〙
〘…階段の下に降りて行ったってことは、一階に行ったってことだよね…一階の受付の人が見てるかもしれない。〙
ゆめは○○ビルの一階の受付に話を聞いてみることにした。
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