伊達政宗、輝宗を殺すのは伊達じゃない その拾捌
その場に立ち尽くした警察だったが、それでも日本を守る機関だ。階段を駆け下りて、ルパン一味を追いかけるのであった。
ルパンとホームズは窓から飛び降りた後に、外壁の突起をうまく利用しながら地上に着地。警察達からの視界から離れるように美術館から逃走を図った。それを見ていた怪人二十面相は天井を伝って、これまた追跡を始めた。
怪人二十面相と警察が追いかけていることにいち早く気付いたホームズは、立ち止まって振り返る。
「どうしたんだ、ホームズ!」
「僕が怪人二十面相の足
「共闘か、良いだろう」
ルパンも振り返ってホームズを追い抜かし、警察官の中へ飛び込んでいった。そして、
ホームズは怪人二十面相を見ながら後退し、杖を握る。「来い、二番煎じ!」
「良いだろう」
怪人二十面相はホームズに向かって走り出した。ホームズは杖を
ホームズは杖を刀のように持ち替えた。「こうだ!」
「ホぉームズ!」
怪人二十面相も棒きれを掴み、チャンバラがしばし続いた。怪人二十面相はキリがないと悟り、強行手段に出た。
「ルパン一味はここだぁ───!!!」
耳が痛くなるほど、怪人二十面相は大きな声で叫んだ。それにより、数人の警官が駆けつけてきた。そこには、明智の姿もあったのだ。
「怪人二十面相とルパン!」明智はスーツの
杖を後ろに振りかぶったホームズは、左足を前に出して右手で杖を前方に放つ。明智目掛けて飛んできたそれを、明智は寸前で受け止めた。
「何の真似だ!」
「日本の名探偵。君が明智小五郎なる者なのだろう?」
「いかにも。君はルパンではなく、その配下か?」
「今はそんな状態だ。だが、君よりは優れているさ。探偵としても、
その言葉を聞いた明智は、周囲の警官を蹴り飛ばす。「怪人二十面相、戻ってこい。貴様の役目は終わりだ。死ななくて良かったな」
「やはりか、君こそが怪人二十面相なんだね?」
明智は怪人二十面相から道具を
「貴様は探偵をやっている内に泥棒がしたくなった。だから怪人二十面相という人物を作り出したんだろう。ブルーダイヤモンドが盗めたのは、君が怪人二十面相だからだ。君が盗んだとは誰も思わないから、容疑者から外れたんだ」
「正解だ、ホームズ君。怪人二十面相が捕まらないのは、僕が逃がしたりしているからなんだ」
「君は探偵として失格だ。ルパンが褒めるほどの変装術を使えるのは、君が探偵であり泥棒であるから......」
「そういうことだ。怪人二十面相の正体は明智小五郎! ただ、後々に
二代目怪人二十面相の名は
「ああ、そうかい。では、僕は捕まりたくないので失礼するよ」
「行かせないよ!」
明智、もとい怪人二十面相はホームズを取っ捕まえて気を失わせた。そして、二人はマンホールの中に隠れた。それにより、明智がルパン一味に捕まった、ということで警察は捜査を進めることになった。
ルパンは警察を
「まさか、二十面相に捕まったのか!?」
頭を
「あれはどこにあったかな?」
ポケットから強力な
明智がホームズを車に乗せている場面を発見し、ルパンも怪人二十面相の正体が明智だと見抜いた。体から重いものを抜き去り、建物の屋根を飛んで移動。走る車の屋根に飛び乗った。
「明智君。聞こえているか?」
「やあ、ルパン。もう気付かれたか」
「二番煎じの怪盗は貴様だったのか!」
「何か悪いか? 僕は作り上げたんだ。怪盗アルセーヌ・ルパンと肩を並べる日本の怪盗をね」
「なぁに、技術だったら私の方が
「黄金仮面と名乗って日本で泥棒をしていた時、大先輩だからと逃がしてやった恩を忘れたか?」
「貴様は人を殺している。替え玉の件だ。私は仮にも
ルパンはマントを脱ぎ、マントで車のフロントガラスを
「この車、高かったんだ! わざわざ盗まずに購入した代物なのに!」
ルパンは考える。明智と警察の手から逃れてホームズをイギリスに帰すには、自分達を死んだように偽装しなければいけない。
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