第5話ダメヒロイン誕生
それにしても、彼女は可愛かった。
背は小さく、胸もまだ小さい、黄金色のショートボブはサラサラしていて光沢があった。
坂月とは全くの別物で童貞心くすぐるような感覚で、たまらん。
「あなた、なんて顔しているの?」
身に覚えのある声が聞こえた、坂月だ。
「別になんでもねーよ」
どうやら俺は、あの子のことを考えて顔がニヤけていたらしい。
「なんでお前がこんなとこにいるんだよ、ここお前の家から遠いはずだぞ」
俺たちが今いる場所は、この間に坂月に目撃された場所とはだいぶ離れている。
「こっここからおばあちゃんの家が近いのよ。あなたには関係ないでしょ」
「なんだ、そういう事か、じゃあ俺はもう行くぞ」
「えっあっ、まだみたぃ・・・」
「へっ!?」
あまりのパワーワードに甲高い変な声が出た。
え?今あいつ何言った?
今絶対俺の事『見たい』って言ったよな?
いや、まだわからない。俺の聞き間違えかもしれない。
「えっえーと、今お前、俺の事見たいって言った?」
坂月は、一度深呼吸して心身ともに落ち着かせていた。
「えっう、うん」
坂月は手をモジモジさせて、恥ずかしそうに行った。
『やっべぇ!!こりゃあかん、理性が保てないわ』
坂月が今、俺の事を見たいと言っている
このチャンスを、俺はそう簡単に逃す訳には行かない。
「坂月、お前、俺の事好きなのか?」
一か八かの戦い。
答えは深い霧の中にあり、新たな自分に成長する道を、俺は選んだ。
憧れの、彼女持ち学園生活。
二年間の思いに、ついに終止符を打つ。
血のにじむような努力がついに報われる・・・・・
あれ?ちょっと待て、俺、血のにじむような努力何てしたか・・・・・・?
「うん。大好き。その “ アホ毛 " が」
・・・・・・・。
胸の鼓動音だけが鳴り響くこの緊張感が直に感じる。
この空間に感じてはならないモノを感じ取ってしまった。
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