黒き翼の大天使~第1幕~ヒノミヤ事変篇

遠蛮長恨歌

第40話 人物紹介

登場人物紹介


プロローグ

ルーチェ・ユスティニア

「聖女」アーシェ・ユスティニアの妹。プロローグの時点で16才、三つ編みにまとめた長い銀髪に白く透ける肌、修道衣にローブをまとう。姉・アーシェが魔王オディナ・ウシュナハに攫われたために、魔王討伐の勇者を求め星詠に従ってアカツキにやってくる。


十六夜蓮純(いざよい・はすみ)

 アカツキ皇国筆頭宰相、本田馨綋ほんだ・きよつなの宰補(宰相補佐官)。ルーチェが王城柱天を訪れたとき応接に出て、そのまま職を擲ち彼女に従う道を選ぶ。非常に高潔な善性のひとだが、とにかく顔だちがすごみのある美形悪役で善人らしくない。


新羅狼牙(しらぎ・ろうが)

 魔族と人間との混血で当代の「魔王殺し」の資質保持者。青みがかった短髪と深紅の瞳、褐色肌の逞しい体躯をもつ少年であり、64枚の氷の刃をつなぎ合わせた蛇腹の短刀「天桜」の使い手。秘宗の魔術「天桜絶禍」は超重力で敵を押しつぶし、引き裂く技であり、神族相手に無類の特攻をもつ。


オディナ・ウシュナハ

 名前のみ登場。銀髪美貌の偉丈夫にして創世の女神グロリア・ファル・イーリスと対をなす絶対悪・・とアルティミシア大陸の一般的教義では解釈されているが・・


アーシェ・ユスティニア

 名前のみ登場。攫われた聖女にして絶世の美女。その力は「生命の創造」。傷や病を癒やすだけでなく、無から命を生み出す「黄金錬成アルス・マグナ」すら可能とする絶無の天才。魔族というものに対して否定的な排斥論者だったが、魔王オディナから世界の現実を見せられて変っていく。


本編1章

新羅辰馬(しらぎ・たつま)

 魔王オディナと聖女アーシェの子。新羅狼牙の養子。実父母から神力と魔力が混ざり合って昇華された力「盈力えいりょく」を継承したサラブレッドであり、さらには養父から勇者の技を受け継ぐ。潜在能力でいえば紛れもなく世界最強と断じてよいが、本人の怠惰ゆえ能力の完成には遠い。銀髪紅眼の、信じられないほどに美しい美貌はまさに沈魚落雁閉月羞花ちんぎょらくがんへいげつしゅうか、というべきだが、美しさのベクトルがどう見てもいとけなく可憐な美少女であり、本人はこの顔立ちをひどく嫌っている。冒険者育成校「蒼月館」2年。164センチ51キロ。


神楽坂瑞穂(かぐらざか・みずほ)

 アカツキ京師太宰の宗教特区、ヒノミヤ(火之宮)の姫巫女筆頭、斎姫いつきひめ。貧民街出身、大神官神楽坂相模の養女。斎姫=聖女として「時軸ときじく」という時間に干渉する力を持ち、また原理不明ながら人の心の声を聞く「サトリ」という力も持つ。非常にまじめで向学心もあり、礼節、慈悲心などの徳目も備えるが、ただ一点ひどく気弱で臆病という弱点がすべてを台無しにする。物語冒頭で敵の首魁を打破する策を考えるもその性格故に実行できず敗北、そのためメインヒロインでありながら敵に輪姦陵辱されるという苦難に遭うが、のち克服。辰馬より1才の年下。青紫の長髪を結い髪にしてリボンで束ね、瞳は緑色。161センチ74キロ、バストサイズは弩(121)。


牢城雫(ろうじょう・しずく)

 ピンク髪にポニーテールのハーフエルフ。アカツキの落爵貴族、牢城家の娘であり、新羅江南流古武術講武所の門弟にして辰馬の8才年上の幼なじみ。蒼月館の教諭でもある。明るくはつらつとした性格から男女問わない学園の人気者。弟(辰馬)が可愛くてしようがなく、教師という立場ながら学園内でも辰馬にべったり。学生時代、剣術で国内最高権威大会「煌玉展覧武術会こうぎょくてんらんぶじゅつかい」三連覇、その剣技は年を経てさらなる高みに登り、若くして剣聖と言われる。その身に霊質を帯びずに生きる「魔力欠損症」といわれる体質であり、かわりに霊的干渉もほぼ受けることがない。144センチ、38キロ、巨。


エーリカ・リスティ・ヴェスローディア

 はるか西の商業大国ヴェスローディアの第4王女であり、蒼月館の学生。交換留学生とかそういうわけではなく言ってみれば家出娘であり、そのため非常に貧乏。普段は芋ジャージ姿でもやしご飯とか食べてる赤貧プリンセス。生活費のためにグラドルのバイトをしているだけあり非常にメリハリのきいたプロポーションをもつが、あまりにも破壊的な瑞穂やアスリートとして完璧な均整を誇る雫と比べていつも敗北感を感じている。ヴェスローディア王室の聖女の一人「盾の乙女」として聖盾アンドヴァラナートを拝領しており、また彼女の常時携行しているティアラはヴェスローディア王室王権の象徴。166センチ52キロ、爆


朝比奈大輔(あさひな・だいすけ)

 辰馬の舎弟分のひとり。蒼月館2-D所属。雄偉な体躯と、それを活かす技量を身につけた超接近戦型の空手家。一日30万回の腕立て、腹筋、スクワットを欠かさない筋トレマニア。辰馬の舎弟分のなかでは温厚篤実な常識人であり、苦労人。179センチ83キロ。


上杉慎太郎(うえすぎ・しんたろう)

 辰馬の舎弟分のひとり。蒼月館2-D所属。女にモテるから、という理由でギターをやっているがモテたためしがなく、最近は辰馬の尻の穴をねらっているバイセクシャルな変態のナイフ使い。こんなんでも一応、貴族の出で、家は子爵。182センチ、69キロ。


出水秀規(いずみ・ひでのり)

 辰馬の舎弟分のひとり。蒼月館2-D所属。エロ小説で身を立てる一応、プロ作家であり、自称忍者で語尾がゴザル。もともとアカツキ正統ではない神を祀る神社の息子で、人理魔術の素質もち。おもに土属性魔術の足止め、拘束系を使う。小デブ、汗かき。164センチ、72キロ。


女神サティア

 太宰から汽車で数時間南下、盆地の村宮代に住み着いた異国の女神。創世の女神グロリア・ファル・イーリスの最も新しい娘神であり、時代の創世神となるはずだったが修業に音を上げ宮代の霊穴から力を収奪していた。爆発する光の剣を無尽に生み出す能力と空間をねじ曲げ攻撃を無効化する能力を持ち、その本質は「空間の操作」。水色の髪と青い瞳、そしてえろいギリシャ風キトン装束が特徴。164センチ50キロ、巨。


神月五十六(こうづき・いそろく)

 1章から3章にわたる第一幕の最奥に居座る、堂々たる老黒幕。宗教特区ヒノミヤの大神官から、神官長・神楽坂相模を殺して神官長となる。その際邪魔となる神楽坂瑞穂に罪をかぶせ、陥れた上凄絶な陵辱を加えることで神楽坂の風下にあった神月家の苦渋を晴らした。自分あるいは自分の血族が世界に覇を唱えることを夢見る野心家であり、能力は人理魔術だが、種々の呪具の所有およびその使用法の熟知というアドバンテージはその弱点を十二分に補って野心を支えるに足り、なにより腹心の磐座穣という天才の存在が大きい。


本田馨綋(ほんだ・きよつな)

 シルエットと台詞のみ登場。アカツキ皇帝たる永安帝が暗愚なのを補ってあまりある賢才の宰相。その知謀と鋭気はカミソリのごとし、といわれる切れ者であり、清濁併せのむ大政治家。


晦日美咲(つごもり・みさき)

 1章ではシルエットのみ。アカツキ傍流御三家の一、小日向家の侍従長であり小日向家当主小日向ゆかの理解者にして庇護者。ゆかの御身のためなら粉骨砕身の覚悟を持ち、そのため宰相・本田に密偵として使われる。ありとあらゆる教養と技芸を備える努力型の天才であり、また人造聖女計画の成功被験体。新羅辰馬にも匹敵する超越的美貌の持ち主であるが、胸板はきわめてフラット。2章で蒼月館に転入。157センチ46キロ、貧。


2章

明染焔(みょうぜん・ほむら)

 アカツキが誇るエース級冒険者。210センチ、140キロという破格の体躯を誇り、その体格を裏切らない体力と筋力を有し素手で魔獣を組み伏せることができるほど。ウェルスの「聖域」からやってきた「竜の巫女」イナンナの依頼で「魔女」ニヌルタを追う。人理魔術師としてはかなり傑出した炎の使い手で、4000度の爆炎「沖天烽火」を操るも密閉空間では使いどころなく、結局2章ではほぼ活躍なし。


イナンナ

 古き月の女神の名を有する、竜種の少女・・20才は少女? 女性? ・・であり、裏切りの魔女ニヌルタの実姉。もともと聖域の守り人の一族としてひっそりと暮らしていたが、妹の反逆によりやむなく聖域を出た。そのため世間知がなく、人間社会における常識に欠ける。氷結系神聖竜魔術の使い手。


ニヌルタ

 イナンナの妹にして反逆の「竜の魔女」。竜種における聖女であった姉に比べると劣る魔力しかもたなかったが、祖竜の血を飲むことで圧倒的・絶対的魔力を有するようになる。その力を象徴する術は「天地分かつ開闢のウルクリムミ」だが、ほかにも多種多様な術を極めて高いレベルで操り、とくに力の分与と回収という能力が凶悪。最終的に、いったん北嶺院文に預けた力を自分に取り戻すことで本来あるべき力の2倍というばかげた魔力を有するようになり、災害的猛威を振るう。一度は新羅辰馬を完封、洗脳支配した。


北嶺院文(ほくれいいん・あや)

 アカツキ王家傍流三家の一、北嶺院公爵令嬢にして蒼月館学生会長。3-A所属。ある一定レベル以下の力を問答無用で消し去るという超強力な神力の使い手であり、きわめて強固な女尊男卑思想の持ち主。邪魔な辰馬が学園を開けている隙に男子排斥学則を発布し、電撃的に男子を打ち払うという軍略的才覚にも長ける。もともとは打ち消せる力のレベルが低かったが、ニヌルタから力を分けられてレベルを上げた。ただしこの力の分与はあとあとニヌルタが回収するための布石に過ぎず、文は完全に道具として使い捨てられた形になる。161センチ51キロ、貧。


ラシケス・フィーネ・ロザリンド

 アーシェ・ユスティニアの系譜を継ぐ、正統なる「神国」ウェルスの聖女にして交換留学生。2-A。優しく穏やかで情深い性格であり、ウェルスのガチガチの神学思想で育ちながら魔族相手にでも慈悲を持って接せよという思想を持つ変わり者。聖女つながりで辰馬とはそこまで親しくもないが、知己の間柄。学生会騒乱事件における一番の被害者であり、粛正への恐怖が臨界を越えて暴徒化した男子学生たちにより陵辱される。157センチ54キロ、巨。


林崎夕姫(はやしざき・ゆうひ)

 学生会の一員であり、文の愛人といわれる2-Dの女学生。レンジャー職であり、作中での言及はなかったものの「いっさいの気配を完全に遮断する」という能力を持ち、瑞穂たちがほぼ完全に戦闘を回避できたのはこの能力による。また、家は剣術道場林崎流。秘剣一の太刀相伝済み。153センチ41キロ、巨。


塚原繭(つかはら・まゆ)

 学生会所属の1年生。学生会メンバー中もっとも背が高く、グラマー。聖女レベルではないがかなり腕の立つ氷結系神術使いであり、また長刀の達人。作中での活躍は竜種のブレスを氷結術で止めたことぐらい。175センチ61キロ、爆。


ガラハド・ガラドリエル・ガラティーン

 ラース・イラが誇る「世界最強の騎士」。30才。雫とおなじ魔力欠損体質であり、霊的干渉を受けない・・うえに、身体に刻印された呪術的紋様の効果によって「自分に向けられたありとあらゆる神力・魔力・霊力を、コピーして一回だけ自由に打ち返す」という力を保有。また、王権に対する服従のゲッサ(誓い)によって元来ある力を飛躍的に高められており、その戦闘力はほぼ「魔王殺しの勇者」新羅狼牙に匹敵するか、凌駕するほど。騎士の中の騎士にふさわしい、非常に高潔高邁な人格者。


新羅牛雄(しらぎ・うしお)

 辰馬の祖父、狼牙の父。かつてアカツキ禁軍武芸師範。のち世界周遊して武術修行し、現在の新羅江南流を形成、その過程で数々の伝説を生んだ男として、一部では狼牙以上の知名度を誇る。霊力・神力・魔力といった枠にとらわれず、心意を神威に変えて奇跡的な力を発現させる、人の身でありながら神の域に達し、超える「天壌無窮」の到達者。作中では辰馬の身体に局地的な地震をたたき込んだ程度だが、牛雄本来の力は実のところ、あの程度ではない。


3章

磐座穣(いわくら・みのり)

 ラース・イラの不良軍人がヒノミヤ先代巫女の一人を暴行して産ませた私生児三兄弟の末妹。ヒノミヤが誇る最高の戦略的頭脳。姫巫女第3位。神力自体は5位の姫巫女中で最も弱く、操る力も「見る目聞く耳」という情報収集のみの力だが、そこに彼女の分析力、先見力が加わるととてつもない戦力が敵前に立ちはだかることとなる。神楽坂相模の謀殺、瑞穂排斥、その他ヒノミヤの作戦行動のすべてに彼女の恣意が働いていると言って過言ではない存在であるが、にもかかわらず野心はほとんどなく、彼女の行動原理のすべては主君たる神月五十六のためであって主をしのぐことは考えていない五十六の腹心にして愛妾。16才。156センチ39キロ、貧。


長船言継(おさふね・ときつぐ)

 16年前に軍学校の勉強がつまらなすぎてヒノミヤの神官に転じた男。不良神官ながら戦闘力と軍事の才により栄達、神月五十六直属の【先手衆さきてしゅう】の次席に収まる。第1章の神楽坂瑞穂陵辱事件においてもっとも執拗に瑞穂を穢した因縁の相手。ヒノミヤ勢の旗色が悪くなると早々に見切りをつけ、辰馬に投じる。


神威那琴(かむたけ・なこと)

 大神官・神月五十六の孫娘。姫巫女第2位。神楽坂瑞穂とは親友。宝塚的な男役ふふう美形女子であり、那琴からの一方通行ではあるが愛情を向ける関係。レズなのかというとそうではなく、単純に「瑞穂が可愛い」ということで同性愛者ではないらしい。黒い巫女服という特殊な服装に身を包み、神力を解放して振るう太刀の一撃は海をも断ち割るほどの凄絶を誇る。ヒノミヤ最精鋭部隊、「突騎」指揮官。177センチ62キロ。貧。


沼島寧々(ぬしま・ねね)

 巫女の4位。ヒノミヤのアイドル的存在であり、まとう巫女服はピンクのフリル付きで胸元を大きくくつろげた(さらし装備)扇情的なもの。広報、渉外担当の人材で、能力は魅了。彼女の声を聞き顔を見た相手はしぜんと心をリラックスさせ、従ってしまう。巫女としてはやや年かさの20才。159センチ48キロ、爆。


鷺宮蒼依(さぎみや・あおい)

 巫女の第5位。もともとがヒノミヤの外から見いだされてやってきた外様であり、瑞穂たちにも能力に関してほとんど語ることがなかったが、その力は「不不斬(斬れぬものなし)」というもので彼女の佩剣の刀身に満ちた神力、その切っ先に触れた者は物質であろうとエネルギーだろうと、すべて等しく真っ二つに斬れ落ちる。外様故あまりヒノミヤに対する忠誠心はなく、最終的に山南交喙が専横に及ぶと片倉長親を護ってアカツキ側に寝返った。166センチ54キロ、巨。


山南交喙(やまなみ・いすか)

 本来繰り上がりで斎姫となるはずだった神威那琴を差し置いて、神月五十六に召し出され「女神の器」として斎姫に就任した、燃えるような赤毛の少女。神力の高さに関しては紛れもなく天才ながら、人の上に立つ将器や求心力といったものは皆無であり、個人戦であれば問題なかったがヒノミヤ事変という事件が戦争という事態であったため、彼女の弱点は遺憾なく露呈することとなる。自分に優しく、人に厳しい、きわめて嫌われやすい性格。158センチ50キロ、並。

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