魂よ!守護神になれ!

月之影心

そして僕は…

 僕は鳥居翔馬とりいしょうま

 4月から3年生になる普通の高校2年生だ。












 キキィーーーーー!!!ドンッ!!!!!


 「早く!救急車を!」

 「誰か応急処置出来る方いませんか!?」


 白いワゴン車の前で転がる男子学生。

 地面には赤黒い液体が零れている。

 青い顔をして男子学生に駆け寄り、必死になって助けを呼ぶサラリーマン風の男性…ワゴン車のドライバーだろうか。


 「うわぁ事故だよ。救急車呼んだ方がいいかな?」


 僕は一緒に下校していた友人の一条龍樹いちじょうたつきに声を掛けるが、龍樹も青い顔をして立ち尽くしている。


 「おい龍樹、どうした?」


 唇を震わせる龍樹の視線は、道に倒れている男子学生へ注がれていた。

 龍樹の視線を辿ると、タイヤの擦過痕さっかこんのような黒い汚れの付いた白いスニーカーが目に入った。


 (俺の履いてるやつと同じ靴だ…)


 「翔馬ぁぁぁ!!!」


 突然、龍樹が道で倒れている男子学生に向かって叫び、に飛び付いた。


 え?僕ここに居るけど?




 龍樹が飛び付いたの顔を覗き込む。
















 そこに倒れていたのは、紛れも無くだった。


 僕は、高校3年生になれなかった。



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