特級都市開発士

@KureyonP

1 都市工学学院編

1ー1 旅立ち

「ティモ、忘れ物はないか?」

じいちゃんが言う。


それにティモ・ワーグナーは━━

「じいちゃん、忘れ物つったって、そもそも持って行かなきゃならないもんなんて入学許可証と地図ぐらいだよ。」

━━苦笑しながら応えた。


「寂しくなるな……手紙、送ってくれ。」

じいちゃんはティモを真っ直ぐ見つめ、けれど後半は少し目を反らして言った。


そんな、じいちゃんの寂しそうな様子に━━

「うん。書くよ。」

━━しっかりと、自分にも言い聞かせるように応える。


「頑張って来いよ。そしてお前が造った街におじいちゃんを招待してくれ。」


「うん。」



こうして、ティモの旅が始まった。

目的地は都市工学学院のある聖都ボルボクス。

道中、狩りをしながら歩いて2ヶ月程の旅程だ。

そこでティモは、都市開発士を目指す同志ライバル達と共に、夢に向かって進むのだ。

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