第二部

【超解りやすく、いわゆる『森喜朗女性蔑視発言』を解説すると】

 2021年2月12日(金)、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長 森喜朗の首が獲られた。


 それを受け、国内外各方面のその後の反応が一通り出そろったところで第二部を始めたい。

 始めるに当たって、今一度2021年2月3日(水)の森喜朗発言、そしてその後起こった事を、改めて解説しておきたい。



====〈『超解りやすい森喜朗発言』とその後起こった事について〉====


 森喜朗発言要旨


 日本ラグビーフットボール協会の女性理事達 → ハキハキとした性格の女性達


 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の女性理事達 → 上記の女性達に比べると温和しめな性格の女性達。


森喜朗「会議って長くなると疲れるし、俺は温和しい女性の方がいいね」



 この発言を受けた各方面の反応。


欧米メディア「森の野郎! ハキハキとした女を否定しやがった! 女がハキハキしてないのは抑圧され差別されている何よりの証拠! 完全なる女性蔑視発言だ! 奴がオリンピック組織委員会の会長だと⁉ 許さん! 奴の首を獲れ!」


国籍問わずハキハキとした性格の女性達「森を許すな! わたし達#わきまえない女たちっっっっっっっ!」


日本のマスコミ、日本のオリンピックスポンサー企業、その他大勢の日本人達「大変だ! 欧米様が怒っておられる! 世界が、国際社会が日本に怒っているぅぅぅぅぅぅっっっ!!!!!!」


 かくして、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長・森喜朗の首が獲られる。


温和しく口数が少ない性格の女性達「わたしの存在っていったいなんなんだろう……」(涙)


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 ちなみに一番最後の一文は表には出てこない。『ハッシュタグなんちゃら』で自己アピールするようなことはできない性格の人達だから。

 なに? 「そんなのお前の想像だろっ⁉」だって?

 しかし男女問わず、この世に生きる全ての人間が口達者でハキハキしている人間だと信じ込む人もいないでしょう。昔『根暗』で、今『陰キャ』。口数の少なく温和しい性格の人間を揶揄するこうしたネガティブな単語の存在が何よりの証拠です。世の中に存在する性格はひとつだけなんてことはありません。


 大事なところは繰り返しましょう。

 この問題は、

『森喜朗め! 俺のタイプの女を否定しやがったなっっ! 女性蔑視だ!』っていうレベルの問題だ。

 今のは男目線だが、女目線だとこうなる。むろん一部の性格の人の目線である。

『森喜朗め! わたしを否定して! 絶対許せないっ! 女性蔑視よ!』


 低俗な表現をしたので少しだけ高尚に表現するとこうなる。


『森喜朗め! 欧米流の『女性はこうあるべき』という価値観をよくも否定してくれたな!』


 なんのこともない。欧米人もまた『女性はこうあるべき!』という己の理想的価値観に拘泥しているだけなのである。欧米人の好みはハキハキと意見を言う女性だ。


 しかし世の中そういう性格の女性ばかりじゃない。(もちろんハキハキできない男性もいることもお忘れなく)そういう女性に対しても『そういう女性になれ!』と強要しているのが欧米メディアなのである。つまり、他人を女性差別者に仕立てる欧米メディアこそが、温和しい性格の女性を〝現代社会にそぐわない女性〟として、蔑視し差別しているのである。


 欧米メディアの言い分はで、全ての女性の味方をする言い分ではない。故に女性の味方面をして欧米メディアが森喜朗攻撃を行う行為は、まるで正しくないのである。


 邪悪極まりない欧米メディアは人間を性格でランク付けしている。性格の多様性を認めない欧米メディアこそ性格差別をする悪党集団! 絶対に非難されなければならない存在だ。


 欧米メディアって、ハキハキと意見を言う人間が好きみたいだから、ここは男女国籍問わず温和しい性格の人間達が連帯し、『マスコミが性格差別するな!』と圧力をかけるのもいいのかもしれない。

 ただ、真性のクズ人間だとこう言うかもしれない。

『この野郎! 俺達にゴチャゴチャ意見しやがって! お前らの意見など聞きたくない! お前らなど俺達の言った価値観に温和しく服従してればいいんだよ!』


 もはや俺にとって欧米メディアってのはこんな感じの人間ってイメージだよ。

 こんなのが一斉攻撃してきただけで『日本は〝じぇんだー〟が〜』とか言い出す日本人は己の思考力の無さ、頭の悪さを自覚しろ!

 だがしかし、これは思考力や頭の良し悪しの問題ではないのかもしれない。次の話しでは日本人の〝弱さ〟について指摘をするとしよう。己の弱さを自覚することもまた修行である。

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