第13話 別れの決意
そんなある日の事。
「友羽」
「十夜」
正門を出ると
「あの…」
そこには、敏樹の彼女と思われる人がいた。
彼女は、私に向かって平手で打とうとする行動を見せた。
≪えっ?≫
次の瞬間 ――――
パシッ
私の前に立ち塞がる人影。
「十夜…」
十夜は、彼女の手を止めていた。
「友羽を打つ理由、何?こういう事をする前に君は敏樹から俺に連絡するように伝えてくれたのかな?」
「…それは……」
「伝えられない理由があるって事だよね?君に頼んだ俺がいけなかったみたいだね」
十夜は、携帯を弄り出す。
「悪いけど、こっちも待ってる時間はないから俺が敏樹呼び出したから。これ以上、友羽に近付かないでくれないかな?それから変な真似したら許さないから!」
「十夜…」
その時、十夜の携帯が、鳴り響き、十夜は電話に出る。
「分かった。じゃあ後で」
十夜は携帯を切る。
「友羽…今から敏樹と会うようにしたから」
「えっ?」
ドキッ
まさかの答えに胸が大きく跳ねる。
「正直に話すと良いよ。俺も一緒に行くから」
「十夜……」
彼女は悔しそうに去った。
そして、私達は待ち合わせをする。
「ごめん。敏樹」
「いや、良いけど。二人揃ってどうかしたの?」
「友羽が敏樹に聞きたい事あるらしくて」
「えっ?俺に?何度も連絡したんだけど……」
「無理だよ」
「えっ?」
「私……携帯ないから」
「携帯がない?」
「事情あって…」
「そっか…。だから連絡つかなかったんだ」
「敏樹……それより私以外に付き合ってる彼女いるよね?」
「えっ?いやいないけど、告白された事はあるけど」
「じゃあ……彼女が敏樹と付き合ってるって事にしているんだろうね」
「えっ?どういう事?話が見えないんだけど」
「…実は…」
「友羽、後は俺から話すよ」
「十夜……」
十夜は、私の頭をポンとすると今までの事を話した。
「えっ!?待って!それは誤解だし」
「だけど、現にそういう状況なんだ。やっぱり彼女は嘘ついてたんだね」
「友羽ちゃん、誤解だから」
「……誤解だとしても…これ以上、先輩とは付き合えません…」
「…友羽ちゃん…」
「ごめんなさい……今日まで付き合ってくれてありがとうございました」
「そっか……俺こそごめん……迷惑かけたみたいで……」
「いいえ……」
私達は別れる事にした。
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