25日目

 お前らとの戦いで力を使いすぎた、回復するまで3日待て、とクロノスは言った。


 仕方ないので待機する。

 

 そわそわする俺に、青勇者が話しかけてきた。

 君はだいぶ焦ってるようだがなにか事情があるのか、と言った。


「俺はあと5日しかこの世界にいられないんだ。それまでに魔王を倒して願いを叶えないと死ぬ」


 青勇者は驚いていた。

 彼を含め他の勇者達にはそんな期限はないらしい。

 そもそも、普通は天寿を全うした後に転生という形でこの世界に召喚される。緑女神の力が未熟だったため、俺だけこんな待遇になってしまったようだ。


 青勇者の名前を聞いてみると、俺の世界では誰もが知ってる歴史の偉人だった。


「いやあ、青勇者さんみたいな有名人とお近付きになれて嬉しいっすよ。俺の時代では、青勇者さんの伝記とかいっぱい出てまして……」


 青勇者さんの正体を知った俺は、とたんに腰が低くなった。

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