23日目

 迷宮の通路に、獅子の石像……スフィンクスが鎮座していた。


 ここを通りたければ我が問いに答えよ。朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の動物は何だ、とスフィンクスは言った。


「楽勝だな。答えは人間だ。赤ん坊は四つん這い、大人になると二本の足で立ち、老人になったら杖をつくから三本足、だろ?」


 不正解だ、と言ってスフィンクスは俺の左腕を食った。


 俺は泣き喚きながら青女神に治療してもらう。


「あんたバカじゃないの。杖は足じゃないし、人間は朝昼夜いつでも二本足でしょ」


 緑女神が俺にかわって答えた。


「アルビオン地方の草原に生息するコルビーパンダね。この動物は朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で活動するわ」


 正解だ、とスフィンクスは言った。

 

「どうよ私の賢さは」


 緑女神がここぞとばかりにマウントを取ってくる。


「ふざけんな。こんなクイズがあってたまるか」


 異世界はどこまでクソゲーなんだ。

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