22日目

「べつに雨が降る必要はないんだよ。水路に水が溜まりさえすればいいんだからな」

「どうすんのよ」


 まず氷の聖剣で大量の氷壁を作り出す。

 そのあと炎の魔剣で氷壁を溶かす。

 できた水を水路に注ぎ込めば完成だ。


 俺達はイカダで水路を辿り、鏡の迷宮へ乗り込んだ。

 この迷宮は鏡に映った者の心を映し出す、と砂漠の民は言っていた。


「だからって人の心を勝手に覗くんじゃないわよ」

「もちろんだ。俺はそんなことはしない」


 と言ったが、やっぱり気になって覗いてみた。


 青の勇者と青の女神は「この戦いが終わったら結婚しよう」と考えていた。

 なんて危険なフラグを立てる奴らだ。


 緑女神の方は「この戦いが終わったら美味しいものをたくさん食べよう」と考えていた。

 こいつは殺しても死なない奴だ。


 俺は迷宮の鏡をひとかけら割って、持っていくことにした。

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