4日目
町中にかかる橋の下で俺は目覚めた。
「町についても結局、野宿かよ」
「文無しなんだから当たり前です。道中の魔物を倒していれば、お金が手に入っていたのに」
「丸腰であんな化け物に勝てるわけないだろ」
この女神は、一見役立たずだけど実はレアなスキルとか、そういうのもくれやしない。
本物の役立たずだ。
「とりあえず今日は武器屋に行く」
一番安い武器は銅の短剣が10万ルピーだった。
「10万ルピーってどれくらいだよ」
「この町のアルバイトの時給が100ルピーくらいですね」
「金を貯めてる間に死んじゃうだろ」
いや、そもそも剣や槍を買ったところで、俺にそんなもの振り回して魔物を叩き切るなんて芸当ができるわけがない。
「魔法使いとかの方がいいかな。どうすればなれるんだ?」
「最低10年修業して、ようやくマッチなしで火を起こせるくらいになります」
こんなんで、どうやってあと26日以内に魔王を倒せというのか。
異世界は理不尽すぎる。
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