改人PANKER

@TK-1005

PROLOGUE &CHAPTER 1:終末ノハジマリ








PROLOGUE


終末が始まった。


もう一回、伝えよう。


終末が始まった。


周りからすれば、一体何だよと思う方が少なくないかもしれない。

でも、自分たちは経験してしまった。世界の終末というものを。

それは目を狂わせた。

それは全てを壊して、全てを変えた。

それは何を引き起こしたのか。


今から伝えることは嘘か誠でなくても理解してほしい。

その事は現実に起こり得る話、いや、もう起こっている話かもしれない。

この話が誰か一人、理解してくれることを願ってこの話を伝える。

いつかのために・・・。



CHAPTER 1:終末ノハジマリ


12月24日 クリスマス・イブ 午前6時


終末が始まる18時間前 


「うわあぁ!!」

少しの睡眠でしか潰れなかった目を重く開けた。

邪魔に来た悪夢のせいで。

その夢は偉大な作曲家カール・オルフの絶望感溢れた音楽によって見せた。

謎の信者、死んでる人の顔、たくさんの爆発、毒ガスを見せた。

目を覚ませんなよとイライラするが、そんな暇もない。

そんな感じで目を覚ました自分、黒影光人(クロカゲコウト) 17歳

今日も髪、歯、服装と色々体を整えたあと、黄色く丸いものを作る。

目玉焼きだ。

それを怪物が食うかのように、強引に食う。

朝はストレスが溜まりやすいからだ。

全てを確認したら、今度は今一番嫌いな場所へと向かう。

一番嫌いな場所、高校だ。

そんなの普通だ甘えんなよと周りは考える。でも、自分にとっては苦痛でしかない。

周りは数人友好関係で固まっている集団が多く、一人だけは自分だけ。

興味のない学習の意欲がないのも自分だけ。

学校の理事長が唯一嫌いなのも自分だけ。

そして、唯一この学校で嫌なのが、

「おいまた、お前、授業で寝ただろう。」

またか・・・。

「最近、他のことに精一杯だから、そんなことに構ってられないんだよ。」

「だからっといって、寝ていいのかよ。」

「先生に失礼だぞ。テメー。」

周りが一人に集まってくる。

「いい加減、お前がいると迷惑だから、寝るなら学校来んなよクソが。」

ああもダメだ。

「お前今何つった?」

「だから、来んなよクズ・・いった!・・・テメエ・・・。」

やっちまった。ボールを当てちまった。

「注意にしては、残酷すぎじゃねのか?このデコ助野郎ゥ!!」

なぐちまった。

「テメェ、何しやがる?」

で、このざまだ。

「先生!男子生徒たちが机と椅子で投げ合っています!」

「何だと。」

「テメェ、人が注意してんのに何しやがる!」

「オメェも注意のしすぎが酷すぎんだよ!クズがぁ!」

「誰がクズだ!ゴラア!」

お互いにブチ殺しあっていたら、教師がきた。

「お前ら、何してる。落ち着け!」

数分後

「コウト、お前なぁ。」

「全て俺の責任なんでしょう?まあ、自分はクズなんで生きることすら希望を持っていませんけどね、ああも死にてぇ。」

「いや、そういうわけではないんだ。確かにお前のいう通り、言葉の使い方が残酷になればなるほど、人も傷つく時代だ。

でも、お前もその注意に対する捉え方も難しかったんじゃないのか?」

もう何をいえばいいのかは分からず、髪をクシャクシャして死んでる目をしながら教師を見ていた。

「落ち着け、お前がこの多くの人が集まる場でしんどいのは聞いている。もちろん、学校生活が苦手なことも、

でも、お前はもう高校生だ。もう少し冷静な性格で過ごさなきゃ、お前の人生もそれ以上にしんどくなるぞ。それにみんながお前に対する酷いやつばっかじゃないんだからな。

それだけは理解してくれ。」

「はい。」

「冷静になったら、外出ていいからな。それまで休め。」

教師にそう言われ、頭を冷やしてた。


午後0時 終末が始まる12時間前


うわぁ

周りの目が俺を酷い目で見ている。当然のことかぁ。

唯一この学校で嫌なこと、それは人間関係を構築することだ。

それが酷いから、人から嫌われている。

あぁ、うぜぇ、自分は人から離れるかのように外のテラスに向かった。

周りがいないこの場所で一本の束を出して、口に加えて、スマホから音楽を聞く。

ここまでの話を伝えると、こいつなんという社会不適合者なんだろうと思うかもしれない。

でも、唯一、そんな自分でも仲間がいる。

「もしかして、また何かやらした?死に目の黒影光人(クロカゲコウト)くん。」

誰かが、一本の束を取り出した。

「何だよ。相変わらず何か期待している顔をしているな。」

「そっちも、死んでないようで何より。」

紅羽灯(アカハネアカリ) 同じ17歳の女子同級生

最初、自分の有様に困惑した一人だが、自分と同じ仲間はずれの一人でなんだかんだ気が合うようになった。

といっても、友達以上恋人以下の関係での仲間だ。

そんな短くも長くもない黒髪でスタイルバランス抜群の彼女が今日も、俺に束をわたした。

「どうも。」

「あいからわず、そんなの食べて、よく死なないね。」

「これはココアシュガレットだ。菓子だから、害なんか出さねよ。それに本当にタバコ吸ったらどうなるかわかるだろうよ。」

「だよね。でも、正直ダサいよ。そんな食べ方。」

「だろうな。でも、止められないんだよ。そういえば、表はいきいきしてそうだけど、裏も大丈夫なのかよ。友達からいつ死ぬの?とか誹謗中傷されているんだろう?」

「正直ダルい、死にたい。でも、あなたがいるから明日も生きていける。」

「なら良かった。」

「ねぇ、今日の夜、渋谷行かない?付き合ってほしいことがあるんだけど。」

「悪いが、そんな暇ねぇよ。」

「頼むよ。その代わり、あなたに何かお礼してあげるからさ。」

「なら交渉成立だ。」

「契約完了ね。じゃ、放課後で渋谷で待ってまーす。」

彼女は少し楽しげに、クラスに帰っていた。

「おもしれぇな」

そう思いながら、少し期待していた。

でも、これが最後の渋谷になるとは誰が想像したのだろうか。


午後6時 終末が始まる6時間前 謎の施設


その頃、俺たちが渋谷に向けて行動している間、組織が行動を開始していた。

信者らしき人物が謎の人物にこう問いかけた。

「これで、準備はできました。作戦を実行します。よろしいでしょうか、Mr,E。」

「よかろう。これでやっと世界が変わる。」

「楽しみですね。新しい世界への想像の第一歩が動くのですから。」


午後6時 終末が始まる6時間前 渋谷


「やったー! 念願の機械少女メカニキュアのフィギュアをゲットしたぞー!」


彼女も喜ぶのも当然、彼女は5000円もする魔法少女ならぬ機械少女のフィギュアを彼女のために買ったのだった。

5000円もしたから、苦笑いしながらお金を払った。

その5000円を無駄にしたら、ゆるさねぇと思ったが、親友のためならまあ仕方がない。

「良かった・・・な。」

「そんな変な笑顔しないでよ。ほら、今日はファミレスの料理おごるからさぁ。それで、何がいい?ちなみにステーキはちょっと勘弁してくれたら嬉しいなぁ。」

「すみませーん。ステーキください。」

「って、おいぃぃ!」

俺が嬉しそうにステーキを食いながら、彼女は少しこのやろと思いながら可愛く睨んだ。

「そんな変な顔すんなよ。一応、あんたの欲しがったフィギュアを買ったんだから、それに俺も手加減して安めのビーフハンバーグステーキにしたんだし、まあ、困惑させたのは申し訳なかったな、ごめん。」

「なら許す。」

「ありがとう。」

少し許してくれたことに、少しほっとした。

「あのさ。」

「何だ?」

「色々と、ありがとう。」

「いきなり、どうしたんだよ?」

「あなたがいなかったら、私、生きていなかったかもしれない。今まで、私も誰も気が合わないせいか人によく軽蔑や偏見、悪口を言われて生きるのがだるかったんだよね。でも、同じく人に嫌われているあなたに心を救われたから、今も私は生きてんじゃないかなと思うんだ。だから、ありがとう。生きる価値を与えてくれて。」

「別にこれで人生終わりじゃないだろ、自分もお前が自分の救いになるんだったら、自分もあんたの救いにもなるよ。だから、感謝するよ。これからも一緒に生きていこうぜ。」

お互いに暖かく微笑んだ。

「さて、気が済んだし、延長戦でもやりますか?」

「いいの?」

「別にいいんじゃない。明日から冬休みなんだし。」

「やったー!」


ここまでの話を伝えると、この話が明るいボーイミーツガールの話だなと思う人間が何人かはいるだろう。

でも、これが最後の明るい話になるのだった。


午後11時 終末が始まる1時間前 渋谷のハイビジョン前


今日一日の楽しい日々に満足した彼女と共に、家に帰るところだった。

「いやぁ、楽しかったね、我が友人。」

「カラオケとかで遊びすぎたな。」

そこで、ふと、彼女の首にある金色のチョーカーに目が入った。

「そのチョーカー、ずっとつけているけどお気に入りなのか?」

「なんか、このチョーカー、外そうと思って取ろうとしてんだけど取れないんだよね。」

「ふーん。」

「さて、家に帰って、寝る前にお宝開封・・・。」

彼女がビルの上を見ていたので、上をむくと、教会のクワイヤたちが美しい歌声を響かせ、鐘を鳴らしていた。

「綺麗だね。こんな奇跡があるなんてロマンチック。」

「クリスマス・イブだからな。クリスマスに入る1時間前に歌っているのかもな。」

「ちょっと君たち、こんな夜遅くに何してるんだ?」

やべ、おまわりだ。

「すみません。ちょっと色々やり過ごしちゃて。」

「家出じゃないよね。」

「大丈夫です。すぐ帰ります。」

「ったく、早く帰りなさい。」

「さて、帰るぞって、どうした?ホラー映画を見るような目をして。」

警察と話した後、彼女が困惑した目でハイビジョンを見ていた。

「ねぇ、あれって。」

「!!」

渋谷の全てのハイビジョンがジャックされ、数々のろうそくを背景に教会の教祖らしき人物がハイビジョンに現れた。

その人物は民衆に向かってこう伝えた。

「人類よ。私は警告したはずだ。このまま大いなる悪意を断ち切らなければ、私は世界を終末させると。」

周りの人間がざわめいた。

「誰だコイツ。」

「なんかこわっ。」

「勝手にハイジャックすんなよってかコイツ、例の炎上ユーチューバーじゃねぇか。」

俺も少しずつ困惑し、彼女に聞くことにした。

「こいつだれだかわかるか?」

「あの人、『世界の終末はもう近い』というチャンネルのユーチューバーだったと思う。あの人の動画が、10日前に毎日配信されるようになって、その人の動画が毎回批判を受けるようになったんだよね。

かなり、嫌われているみたい。」

渋谷の警察が、おどろおどろしながら、ハイビジョンのハッキングに関して、警察の本部に連絡している間、その人物は話を進める。

「お前たちが生んだ環境破壊、差別や悪意による傷つきあい、他の生物の虐殺など神に悩ませた多くの問題に関する解決の猶予を私は渡してきた。だが、お前らはそれを一方的に無視した、

もう一度、解決に向けて神に誓うのであれば、猶予をやろう。だが、しかし、それに刃向くのであれば、天罰を下す。」

民衆がざわめいた。

「ふざけんじゃねぇよ。こいつ、殺してやる。」

「神様気取りしやがって。」

「あんなやつ、死んでしまえばいい。」

多くの人間がこのように反感を持ち始めた。

彼女が怯え始めてきた。

「ねぇ、帰ろうよ。」

「あぁ、ここにいたらまずい。」

自分たちは逃げた。しかし、

「逃がさないよ。」

「誰?」

白いフードを被った信者らしき人間が俺たちいや周りの人達を大きく囲む。

周りがざわめく。

そして、その人物が話した。

「仕方がない、もう人間に慈悲の心などないようだ。信者よ。午前0時のクリスマスに天罰を与えよ。」

信者が子供ぽっく話す。

「わかったー!よし、行くよー!5,4・・・」

周りが悲鳴に包まれ始めた。

「俺たちをどうするつもりだ。」

「やめろぉお!」

「嫌だあああ!』

「3,2, 1 , バーーーン!!!!」

ハイビジョンが爆発し、彼女が大きな悲鳴を出す。その同時に、周囲がまもなく地獄に入るかのような目をして、慌てるようになった。

それと同時に、信者がサリンや毒ガスばら撒き始めた。警察が対抗するなか、周囲は苦しみ始めた。

自分は思い始めた。まさかに自分の夢が、世界の終わりを予知したのではないかと。

いや、ありえない。それより、彼女が毒ガスで苦しみ始めている。

「コウト、助けて・・・、早くしないと・・・ウゥ・・ハァハァ。」

まずい。

「しっかりしろ!俺が病院に連れてくから、死ぬんじゃねぇぞ!」

彼女を背負い、自分は囲んでいる信者を無理やりでも蹴飛ばして、どこかに逃げるかように、サリンの中を通った。苦しいでも、助けなきゃ。

そう思いながら走った。だが、もう遅かった。

「ウガッ・・・アァ・・・。」

信者に鉄の棒で後ろから打たれ、音が沈むように気絶してしまった。


12月25日 午前0時


イエス・キリストが誕生したクリスマスというこの日、それとは裏腹に天罰という名のクリスマスプレゼントが、俺たちに降り注いだ。

終末を伝える鐘を鳴らすかのように、テロが起きた。


そして、





「うっ・・・ここは」

「あぁ・・・起きちゃったかぁ。まあ、いっか。自分の体を見てみ。」

「うん、これは・・・え・・・?」

自分の体の所々が機械的装置に変えられていた。

特に心臓の周りの部分が・・・。


信者が微笑んで話した。

「いやぁ、おめでとう。今日から君は終末を終わらせる道具だよ。」

絶望を見た。

「ああぁ・・・ああぁ・・・うわあああああああああああああ!」








終末が始まった。











           執筆:TK-1005

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