第6話ケダモノ第六世代は特に手心がないので

 つまり心ないケダモノは分裂による変化によって、形質を変えて、尖ったものは突き刺さり、なめらかなものは滑っていき、凹凸があるものは凹凸で組み合わさって転がっていった、ここまでくるとケダモノの数は相当数であり全てを観測するのは難しくある。 そもそもなぜケダモノというのかというと、それは進化論を信奉したために唯一神に呪われ、およそ土くれと同じく、神の姿足りえぬ何かになれと言われた故にそうなのである。 つまり虚無ともいえる。 人間という生き物は神の形質を持っているがために神以外の形質に冷淡である。 神以外に興味はなく神でないものの形を見た時はそれを称賛する価値のないものと値踏みをするが、そもそも進化論を信奉して呪われてるケダモノたちと一緒にされたくないから予防線を張ってるだけの、上っ面ぐらいのことを人類と呼ぶので、まあこの心ないケダモノに生物として認識されずにせいぜい踏みつぶされるだけに過ごすのが足元の生物未満、進化論を信奉しない哀れ唯一神という名の偶像を崇拝したものたちの末路となる。

 だがケダモノにとっては足元に広がる人類の文明などはどうでもよかった。

 ただ飢えていた、そして地球上をのたうち回ることで、また分裂していった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る