至高は物よりも美味いもの

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お金をかける価値の大事さ

社会人になって僕は今まで物にお金をかけてきた。給料が入ればゲームや家電製品やバイクや時計にお金を使った。

一流の物を買う人間こそが僕はそれこそが正しいと思っていた。

しかし、職場の同期にそれは損してると指摘された。そしてあるドラマを見てみろと言われた。


そのドラマは「孤独のグルメ」というドラマだった。

ドラマを全く見ない僕は訝しげにNetflixで深夜に見てみた。

主人公の五郎さん役の俳優さんは松重豊さんという方らしい。


どうやら事前にWikipediaで見てみたがドラマパートとグルメパートがあるらしい。

僕はふむ、と思いながら見てみた。


社会人なら分かる営業や個人貿易商の苦労さがよく分かる。

そしてその後に始まるグルメパート。


僕はその時身を乗り出した。

生のようなカルビに生ワサビを巻いて食べるなんて……犯罪的だ。


食に無頓着な自分でも見入ってしまった。

俳優さんの美味そうに食べる姿がよだれ物で堪らなかった。

そして俳優さんの棒読みのようなナレーションがまたぐっと来て、見終わった後、僕の価値観は大きく変わった。本当に大きく。


物にお金をかけるのは全く悪いことではない。でも、人間は動物は食べる生き物だ、美味いものを食べないでどうする。


動物に感謝し植物や果物に感謝し食べる。

アタリマエのことなのに忘れていた、この感覚。


その時自分の腹が鳴ったのが分かった。Wikipediaで見た「夜食テロ」の意味が良くわかった。


この時間にお店は開いてるだろうか、いや、探そう。


僕の腹は今……何腹なんだ。

行こう、美味しいものを食べに。

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