チート能力もらったので宝具を集めます

@taranagani

第1話 転移したっぽいんですけど

 僕は確か泥棒に刺されて死んだ、筈だ。


 充実した人生だった、失っちゃいけない人生だった。


 でも失った、気づいた時僕の目に映ったのは晴れ渡る青空だった。


 あの日は窓に映る空も雲で隠れてて災厄だった、、、


 そんなことを思いながら上半身を起こして周りを見回す。


 僕が寝ていたのは少し背の高い草が生い茂った牧場みたいな場所。


 別に周りを見ても動物っぽい影とかはないけど。



「どうゆう状況だ?」



 溜め息のように細く漏れたソレが静かな草原で嫌に通った。


 状況を整理してみる、僕は彼女とドーム前で待ち合わせたんだ。


 けど幾ら待っても来なくて、ホワイトクリスマスに一人でってのも虚しいから家に帰って、、、


 そう、そしたら家の中に泥棒がいたんだ。


 僕は驚いたソイツに刺されて死んだ、、、


 最悪だ、何だよマジで、、、



「何でだよ、クソゥ、、、」



 静かな雰囲気でシンミリしながら呟いた僕は、気付くと泣いていた。


 生暖かい雫が数的、顔を伝う。



「おいアンタ! 何でこんな場所にいんだ死にてぇのか!」



 感慨に浸ってた僕の耳に後ろから怒鳴り声が響いた。


 急だったから内容はわからなかったけど何か注意された気がする。



「あのなぁ兄ちゃん! 何があったか知らねぇけどよぉ! 人生簡単に投げ出してんじゃねぇよ‼︎」


「へ? え、何の話ですか、、、?」


「っ⁉︎ お前まさかっ! 知らないのかっっっ‼︎⁉︎」


「え、だから何言って、、、?」



 僕は何故か怒鳴ってくる僕より少し年上くらいの金髪ボーイッシュなイケメンさんに困惑を返す。


 何を怒られてるのか全くわからない。


 様子から見て私有地だからって事でも無さそうだ。


 死にたいのかって、どうゆう、、、?


 そう考えていた僕の眼前、つまり好青年から見ても真前のかなり離れた所の地面が、、、



『ズゴオオォォォォォォォ』



 強烈な地響きを鳴らし破裂した。



「爆発した⁉︎」


「ホントに知らなかったのか⁉︎ クソ、コレだから情報弱者の新人は下手な兵器より危険なんだ! もう今更逃げたって無駄だ! 極力生き残るよう努力してろ!」



 そう言いながら僕の方に、性格には僕を挟んでさらに向こうの爆心地へ歩き出す男。


 その瞬間爆心地で渦巻き僕の方にも軽く漂っていた煙に大穴が空いて煙が風圧で荒れ狂う。


 僅かに何かが高速で迫るのが立ち上がる一直線の砂吹雪でわかる。


 ソレに対し男は何処に持っていたのかレイピアみたいな刀身の細い剣を構える。


 一泊置き振られた剣と砂煙の位置が接触した、と衝突の『ギリギリギリイィキィィィィ』とゆう音と共に起きた風圧で僕は紙吹雪みたいに後方へ吹っ飛ばされた。


 男と衝突した黒い何かが凄く小さく見える高さに打ち上げられて回転しながら背中で落ちた僕は地面と衝突した瞬間内臓がシェイクされていると感じる。


 そして込み上げた吐き気のままに胃の内容物と唾液、そして多量の血液が混じったゲボを吐いた。


 顔面と上半身がグチャグチャになる、、、



「あ、が、なに、が、、、⁉︎」



 辛うじて出た声に応えるものはいない。


 全身が痺れて動けない、骨なんて全部折れたんじゃないか、、、?


 そう感じた僕は、急な目眩と睡魔に抗いようもなく気を失った。

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