世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

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賢者、勇者パーティーから追放される


「なぁ、マギそろそろこのパーティー抜けてくれねぇか?」

「ゲイランなんの冗談だ?」

俺は宿屋の食堂でそんなことを急に勇者ゲイランから告げられる。



「冗談?何を言ってんだ?これは決定事項だこの国のお偉いさん方と俺らのな」

「俺は賢者としての仕事はきっちりと果たしていたはずだが......?」

「ははは!戦闘の時に後ろで縮こまって女に守ってもらうのが賢者の仕事だっていうならきっちり果たしてたな!」



ゲイランの言う通り、俺は確かに直接モンスターと戦うのは苦手だ。そういうスキルも持ち合わせてはいない。



「いいか?お前がいなければ俺達はとっくに魔王なんて倒してんだよ!」

俺が呆れながら話を聞いていると勇者のゲイランはドンと机に拳を叩きつけた。

その音を聞きつけ、他のパーティーメンバーである聖騎士ミラと聖女ティーナが食堂に集まってくる。



「あらゲイランと役立たずじゃありませんの。まだ話はついてなかったんですの?」

「ゲイランさんマギさんはその、少し怖いのではやく追放してほしいです......」

「というわけだ賢者マギ、いや元賢者マギ。装備と金を置いてとっとと俺の勇者パーティーから出て行け!」



かくして俺は勇者パーティーをクビになった。ただ俺の心の中は平穏そのものだ。

この国の王に頼まれたから入ったものの、あんなブラックな職場正直な話はやく辞めてしまいたかったのだ。

休みはないし、勇者パーティーのお守りはしないといけないしそのくせ薄給ときた。

「さて、ゆっくり次の依頼でも探しますか!」

そう決意した俺は王都の冒険者ギルドを訪れた。



「すいません元賢者様、貴方には紹介できる依頼はありません。帰っていただけますか?」

「は?いやどういうことですか?俺は冒険者としてs級のはずですよね」

「理由をお答えする事はできません。今日のところはどうかお引き取り願えませんか?でないとこちらも力尽くでという形になってしまいますので......」



絶対に勇者パーティーの奴らだ。ゲイランもティーナもこの国にはかなり影響力がある。王都の冒険者ギルドは半ば勇者パーティーの言いなりというわけか。


「わかりました。ご迷惑をおかけしてすいませんでした......」

俺はそう謝ることしかできなかった。




「邪魔者がいなくなってせいせいしたな!あいつ今頃仕事も受けれないだぜ。可哀想だよなぁ」

「自分から手回しておいて酷い人ね」

「ゲイランさんそんなことまでしたんですか」

マギを追放したゲイランは仲間達と談笑しながら食事をしていた。



すると突然見知らぬ男が声をかけてくる。

「失礼、勇者一行とお見受けするが」

「いかにも俺が勇者ゲイランだ。なんだ?パーティーに加入したいのか?」

「それよりも前に1つ質問をいいか?つかぬことをお聞きするが賢者のマギ様はどうしたのだ?」

「あいつはクビにした。使えねぇからな!」

「そうか......。ご丁寧にありがとう」

それだけ聞くと男は去っていった。

「おい!パーティーに入りたいんじゃなかったのか!」

去っていく後ろ姿にゲイランが慌てて声かけるが男は振り返ることはなく、食堂を後にした。

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