第12話 サイナラァ~大夢
次の日雪菜が会社に行ったら掲示板
に櫻井雪菜 本日付けで
九州福岡支店異動を命じる。
雪菜を皆がザワザワしながら見守る。
部長も厳しい顔をしている。
事務職で転勤、入社して未だ二年?
直ぐ大夢に相談しようと携帯を
スクロールする。
だけど電話を ぽちっ と押せない。
昨日喧嘩別れしたばかりだ。
しかも消えろ!と言われたばかりだ。
会社の決断には従わざるおえない。
自分で決断しないと‥
もう大夢は雪菜の彼氏では
なくなったんだから。
「相談・・・出来ない‼」
「もう、お前の俺では無くなるから」
って、言ってたっけ‼
大門コンッエルンから逆玉の話が
来た頃だろうか?
結局♀ライオンに喰われるんだ
しかも何兆円と言うエサ小屋付きだ。
しかも夢を叶える付録付き。
飛びつかない訳がない。
大夢の夢が叶うんだな。
それでいいか!!
雪菜は、やや諦め気味に呟いた。
これで面倒見たぞ、のえらそーな
お返しは完全に終わり。
離れてあげることで大夢が私にし
てくれた色々な事は チャラ
になる。
もう恩着せがましい大夢の話は聞か
なくていい。
そう思うはずなのに一抹の
寂しい気持ちが大半を占める。
今住んでるアパートは、大家さんに
頼んで1ヶ月後に退去にした。
私を解雇にしたのは多分、大門だ。
邪魔者は消すって、やつか?
私を大夢から引き離すためだ。
大夢だって計画に関わってるかも
知れない。
あんな事言うくらいだもん。
「邪魔だな。消えてくれるよな!!。」
ハイハイ別れてやるよ、消えて
やるよ!しかし職場まで取り
上げるか?
文句言ってやる(怒)
しかし大夢のお陰で得た職場
でもある。・・・ウ~
せめて別れぐらい言っておくか?
大夢の会社へ初めて来た。
下から眺めてもドデカい会社だ。
下の入り口で待っていると大夢が
何人かの男性と出て来た。
📣「大夢」
と手を軽くあげる。
大夢はチラッと雪菜をみたが知らん
顔して歩き出した。
「大夢ー♡♡」雌ライオンが、
黄色い声で甘えながら呼んだ。
「おおー奈津!」
あの雌ライオンが大夢の腕に手を
回すとこれみよがしに、大夢は肩を
抱いて歩き出した。
«««オーオ»»»»ピユーピユ
同僚の男たちが冷やかし始める。
そっか、そうゆうことか・・・。
・・話が来たんだ、まとまったんだ!
逆玉の輿に乗ったんだ。
夢だったんだし・・・
これで日本を回すコネが出来たのか
良かったじゃん・・・⤵。
私といたって何もしてあげれ無い。
貯金も、日本回すには程遠い。
今更追いかけても、見苦しいだけだ。
振り返り大夢の勤めている会社を
もう一度下から眺めてみる。
ホント、でっかい会社だなぁ
こんなデカい会社で若くして課長職?
大夢って凄いなぁ。
きっと凄く頑張ったんだろうなぁ。
グスッ
携帯を出して、大夢の連絡先全部
を消す。
必要無い‼
結局金かヨ‼
「金に目がくらんだか‼
クラクラする程並べられたんか‼
億、兆!・・・私なんか引越し
貧乏で財布には、300円トホホ
300円と兆
並べられたら兆とるのか?
大夢はそんな💲男なんか‼」
彼が望んだ通り消えてやる。
機種変。
大夢の事だ、どんな仕掛けしてるか
わからない。
あいつ根性悪なとこあるし‥
私は、あいつが居ないとダメだと
思ってるとこあるじゃん。
もう関わるのは止めよう大夢の為だ。
やっと大夢から卒業するんな!!。
私も‼
1億くれてやると言った大夢
「こっちから御祝儀にくれてやる‼
一億なんかはした金だ‼
キャッシュで来たらキャッシュで
叩き返してやる。
私の苦しみを金で買うな‼」
雪菜は大夢との別れを決めた。
行き交う車の音や雑踏の中
雪菜は、大夢の微かにみえる
後ろ姿に叫んだ!
バカヤロ━━━━━
バカヤロ━━━━━━━ウ‼
サイナラ━━━━━━━大夢ウ‼
見えなくなった大夢を見送ると
雪菜は帰り荷造りをはじめた。
出発は、2週間後
大門は、早く雪菜を東京から
出したいようだ。
もう1人で歩かなきゃ
自分を守るのはじぶん。
強くなろう。
・・・・・!
フンいい気味だハッハハハ。
あ””””━━━━━━━スッキリ‼
チラッと見た雪菜は、少し
ションボリしていた。
雪菜の奴ザマーだ。
俺ばかり馬鹿にしゃがって!!
だいたい、男を立てる事を知らない‼
俺をバカにしたらどうなるか
ハッハッハ━━━━━思い知れ!
朝目が覚めて昨日の会社前での
雪菜のションボリとした顔を
思い出す。
ヤキモチ焼いて昨日寝れなかったん
じゃないか、反省しろっ。
あーあ、思い出したらまたムカついた。
俺の本気を見せてやる。
雪菜ブロックーザマア━━━‼
慌てろ、慌てろ、いい気味だ‼
ハッハッハー
大夢と雪菜は、雪菜が中2の
頃からずっと一緒にいた。
いや雪菜が生まれた時からずっと
見守って来た。
しかし雪菜と大夢の時間は今日を
境に別々に動き出した。
怒り満載で、大夢は小さな変化に
も気づかない鈍感野郎だった。
大夢の知らない所で歯車はおおきく
方向を変えて走り出してしまった。
12月、1月、2月、3月
指折り数えて4ヶ月。
大夢も少しずつ不安になってきた。
謝る?なんで俺が?
会いに行くか?
いやいやいや、それはナイ‼
「少し長くないか?流石に!」
初めはイラついていたが、少しずつ
気になり出すと、止まらなくなった。
雪菜のブロックを解いてみる。
さすがに此方からかけるのは男の
プライドが許さない。
しかし、もう4ヶ月近い。
一向に雪菜からの連絡は無い。
雪菜のアパートに様子を見にやって
きた。
部屋の明かりはついている。
ホッとしつつ、マンションに帰る
しかし
やはり、一向に連絡はない。
何日か同じことを繰り返す。
動きは無い。
雪菜の電話番号と
にらめっこしつつ三時間。
「え~い!! いつまで拗ねてんだよ。
馬鹿か?」
遂に雪菜の番号を押してみた。
「あなたのおかけになった
««ブチッ»»»」
あ、あれ?
何度かけ直しても同じアナウンスが
流れる。
携帯変えたのか?
俺に相談無しで機種変更?許さん!!
まさか!
ある不安が大夢の脳裏をよぎった。
走って雪菜の部屋のチャイムを押す 。
「はあーい。」呑気な声を聴いて
大夢は怒りマックスになる。
カチャリと開きかけたドア越しに
「💢お前💢いいかげんにし・・・。」
言いかけた言葉を飲み込んだ。
中から出てきたのは
全く知らない女だった…
彼女をみて・・・呆然となる。
ウツ
「すみません、部屋間違えました…。」
あれ?あ・・・れ?
部屋番確認するが間違いない。
頭が回らない。混乱状態 落ち着け
落ち着いて考えろ!!
大家さんに聞いてみる。
ハァーイ、ハイハイ、
«よっこらしょ。»
80位の年取った
ご夫婦は
「え、雪菜ちゃん?12月いっぱいで
出ましたよ。
理由は聞いてないけど?
さあ?″どこいったやら。いい子
だから私も居てほしかったん
だけどね。」
大家さんは、残念そうに呟いた。
俺は愕然としてマンションに帰った。
しばらく放心状態
夜が明けたのに気づいたのは
7時を回った頃だった。
会社が終わり飲み会の誘いを断り
雪菜の会社まで車を走らせる。
「何かあったんだな!!」
「何があったんだ?」
俺に会いに来た日、珍しいと思っ
たんだ、喧嘩した次の日だったから
あいつがしおらしく、あやまりに来
るなんて考えたら不自然だ。
そうだ、謝りに来たと思ってた、
しかし簡単に許す程俺は、大きな
器じゃない。
あの日は・・・
俺に何か話があって来たのか?
クッソー、ハンドル握る手に力が入る。
雪菜の上司にアポを取りつけた。
受付を通るとやけに視線を感じる
まあ!何時もの事だ。
応接室で部長を待つ。
「いゃあすんません、すんません。
大手企業の課長さんが
何の用事でしょう?」
人の良さそうななほっこりした
部長が現れる。
大夢は名刺を渡し
「実は雪菜の事で来ました。個人的
な事ですみません。」
「え‥っと、どんな関係ですか?」
「婚約者です。」
「え~!!こ、婚約ぅ~者?」
「雪菜に彼氏がいたとは?。
こりゃまた(⊙_⊙)ビックリ‼」
部長の声は、驚きの余り外まで
聞こえた。
エ~エ~雪菜に彼氏ぃ~
外野が五月蝿くなる。
「雪菜は会社に来てますか?」
「君?彼氏?ほんとに?」
「勿論です…少し喧嘩をしてちょっとこりらせようかと、連絡しなかっ
たら引っ越した後で、アイツ気か強いし、 本気入れてお灸すえようと
思って!!」
「あ、ああ・・・そうでしたか‼
そりゃー困ったな‼」
温厚そうな部長さんはポッコリお腹
を撫でながらガシガシと
スポーツがりの頭を掻く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます