第12話 カヴァリヤ城 - 5 -
「デザート、もう一口いけたかも」
ベッドへ飛び込みながら、サラはひとり呟いた。
食事はサラの独壇場で終わり使用人に連れてこられて部屋に戻ってきた。少々のアルコールのせいかその使用人が最初に湯を沸かしてくれた少女か判断できなかった。
豪華な食事をとりながら、フェリックスはこの世界と予言書と呼ばれる本についてポツポツと話した。大陸にはカヴァリヤ以外に、エクレールとシレンシオという二つの大きな国があること、カヴァリヤに予言書があるように、この二つの国にもそれぞれ本があること、この3冊の本が国の均衡を保っていること、かつてこの本を争って三国が戦争を起こしたこと。
フェリックスの説明があまりに端的なので、途中フェルデナントは、サラがイメージしやすいようにフェリックスの説明に肉付けをして話した。
それでもサラが理解できたのは、自分が生活していた世界とは全く違う場所に来てしまって、彼らにとって自分が何か特別な存在であるということだけだった。
カーテンからは月の光が漏れていた。
導かれるようにカーテンを引くと、外は月の光のみが輝く世界だった。
窓は中庭に面しており、奥の城壁の先は森が広がっている。中庭の噴水が月光で輝きを増し、飛沫の一粒一粒が宝石のようだ。サラは制服に着替え、噴水に向かってみることにした。
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