第3話 まずは状況確認からですね、ハイ。
前回のあらすじ:また転生だってさ、、、。分体らしいけどね。
ブラックアウトの状態が治まったので、最初に行うことは確認である。何を確認するのかといえば、もちろん、マーブル達が近くにいるかどうかである。周りを見渡してみると、、、。いた!! どうやら、3人もブラックアウトしたようだ。無事か確認しないと、と思っても、嬉しさのあまり声が大きくなってしまう。
「マーブル! ジェミニ! ライム!」
私の声に反応してくれたのか、3人は起きて状況を確認している。それぞれ私が視界に入ると、こちらに飛びついてきた。よかった、本当によかった。転生するときって、この瞬間が一番怖い、というか、不安になるというか、、、。
「ミャア!!」「アイスさん!!」「あるじー!!」
もうこらえきれずに、3人まとめてモフり倒す。一緒とわかっているとはいえ、不安だったんだ、我慢できるかい!
・・・しばらくモフモフタイムを堪能して、何とか落ち着いたので、とりあえず自分の状況を確認する。アマさん曰く、転生前の能力はそのままということだったけど、実際に確かめてみないとね。では、アマさん、よろ。
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『名前』 アイス・フロスト 年齢 35
『性別』 ♂
『職業』 ポーター
『スキル』 水術、格闘術、弓術、投擲術、調理技能、重量軽減、空間収納
『加護』 主神アマデウス、海神トリトン
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ありゃ、35に戻ってるな、まあ、いいか。スキルは変化なし、と。レベルは表示されてないのか。って、おい、何か付いてるぞ、、、。あんたもおるんかい、、、。だったら、あのとき何で一緒にいなかったんだよ、、、。
ふぅ、気を取り直して、マーブル達はどうなっているかな。
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『名前』 マーブル・フロスト 年齢 永遠の5ヶ月
『性別』 ♂
『種族』 トラ猫(特別種)
『スキル』 体術、爪術、火魔法、風魔法、闇魔法、転送魔法
『加護』 主神アマデウス、海神トリトン
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あれま、フロストの姓が付いてるよ、これで名実ともに私の子だね!! で、あとは、マーブルって、永遠の5ヶ月なのね、、、。って、マーブルにも何か付いてるし、、、。ということは、ジェミニとライムにも付いていそうだな。
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『名前』 ジェミニ・フロスト 年齢 128
『性別』 ♀
『種族』 エイシャントラビット(個体種)
『スキル』 体術、土魔法、解体、重量軽減
『加護』 主神アマデウス、海神トリトン
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ほうほう、ジェミニって128歳だったのね、まあ、可愛いし問題なし。私の寿命より長生きできれば全く気になりません。っと、ん? ジェミニの種族名が変わってるな。つまり、この世界にはヴォーパルバニーという種族はいないということか。ふむふむ、やっぱりジェミニにも付いたか。では、次だ次。
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『名前』 ライム・フロスト 年齢 不明
『性別』 判別不能
『種族』 スライムポウプ
『スキル』 硬化、消化、分裂、光魔法、神聖魔法、異種言語
『加護』 主神アマデウス、海神トリトン
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・・・年齢不明に、性別判別不能、か。流石はスライムといったところか、って、何、だと!? ポウプ? ポウプって確か教皇とか法王って意味だったよな? まあスキルとか見るとそうかも知れないけどさぁ、スライムが法王って突っ込みどころ満載だろ!? って、落ち着いてみると、ライムって何気に凄いな。
ということで、私達の現状の把握をしたところで、実際に同じように動けるかを試していくことにしますか。まずは、空間収納から確認すると、予想通り何も入っておりませんな、、、。まあ、これは仕方ないかな。弓がないのはきついけど、投擲術もしっかりあるから大丈夫かな。
マーブル達も動いたり魔法を使ったりして確認しているみたいだな。
「フーッ!」
おっと、久しぶりに聞いたかな、マーブルの威嚇。ということは、こちらに敵対する魔物の存在を確認したかな。それも結構近くにいるか。私の方でも確認しておきますか、ということで、水術での探知開始。・・・ふむ、かなりの数がいるね、ってこれ全開で探知したからか。では、少し絞って、、、。ありゃ、300m位先に5体いるか。ん? こっちに向かってくる数が増えたな。
先程探知した5体は、距離を保ちつつ仲間を呼んでいた。ちっ、もう少し近くでないと鑑定できないか、、、。
魔物は結局18体になったか。となると、ウルフ系の魔物だろうか、あるいはゴブリン、いや、コボルトかも知れない。いや、4つ足だな、これは。とすると、ウルフ系でほぼ間違いないかな。食べられる魔物だといいんだけど、、、。
「みんな、気づいているかも知れないけど、こちらに魔物が襲ってきそうです。数は18。囲まれてはいるけど、試しとしてはちょうどよさそうかな。それで、作戦なんだけど、ライム、個別に目くらましってできそう?」
「だいじょぶー!」
「了解。では、作戦を伝えます。この世界では初めての戦闘ですので、敢えて近くで戦闘しようと思います。ということで、ライムは18体全部確認したら、目くらましよろ。」
「わかったー!」
「で、ライムが目くらましを相手にかけたら、攻撃開始です。マーブル隊員とジェミニ隊員は6体ずつ頼みます。私とライムは3体ずつです。」
「ミャア!」「了解です!!」「よーし、がんばるぞー!」
3人が敬礼で応えてくれる。いつの間にかライムも体から細い触手みたいなものを出して敬礼していた。ちっこい腕で敬礼って何だか可愛い。もちろん、マーブルやジェミニの敬礼も可愛らしいので、こちらの気合いも充填されていく。
魔物達も準備が整ったようで、こちらに向かってきている。とはいえ、警戒しながら来ているようで、その速度は思ったほど速くはない。
ようやく鑑定可能な範囲まで近づいてきたので、鑑定をかけてみる。それでは、アマさん、よろ。
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『スピアー』×7 ウルフ型の魔物 食用可 味普通
『ランサー』×7 ウルフ型の魔物 食用可 味普通
『トライデント』×2 ウルフ型の魔物 隊長クラス 食用可 味やや美味
『ロンギヌス』×1 ウルフ型の魔物 ボスクラス 食用可 味美味
『グングニル』×1 ウルフ型の魔物 ボス 食用可 味超美味
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・・・何か突っ込みどころ満載なんですけど、、、。名前から察するに、ウルフ型でも角持ちということかな。で、槍のランクで強さも決まる、と。それよりも気になるのが、食用可とか味普通とかの部分だな。鑑定結果から察するに、アマさん本当にやる気ないんだねぇ、、、。で、調理してお供えしろ、と、そういうことですね、なるほど。いや、見やすいからいいんだけど、もう少しあの口調での解説が欲しかった自分がいますよ、はい。
「鑑定した結果、相手の魔物はウルフ型で、突進系が強いっぽいかな。で、どれも食べられるそうです。」
「ミャ!?」「食べられるです!?」「おにく!?」
「食べられる」という言葉に、3人は反応を示し、さらにやる気が上がったみたいで、その気配を感じたウルフ型の魔物達は一瞬ビクッとした反応をしたようで、我慢できずにこちらに襲いかかってくるようだ。
なかなか凄いスピードでこちらに向かってくるお肉、いや、魔物達だけど、こちらも迎撃準備は整っており、いつでも反撃可能である。
約50m位近づいてきたところで、18体全部を視認できた。なるほど、予想通りの見た目をしており、角が付いている赤犬といった印象だ。角の輝きに違いがあるようで、ロンギヌス、グングニルといったボスクラスの角が輝いていた。
大きさについては、スピアー、ランサーといった兵隊クラスでもかなり大きく、4つ足の状態でも、私と同じくらいの高さがあった。上位種になればなるほど、一回りずつ大きくなっている感じだ。
魔物達は、約30m位まで近づくと、私達を取り囲むような動きをし出したが、ライムがそのときに「えーいっ!」と光魔法の目くらましを放ち、不意打ちで目つぶしをされ、一気に混乱状態になった。
「では、攻撃開始!!」
私の合図で、3人が飛び出し、そのまま直線的に集団に突っ込んでいく。私が突っ込んだ先は、『ランサー』が3体いた。水術の訓練も兼ねて、口周りを凍らせると、さらにパニックになったようで、同士討ちみたいな様相になってしまったが、拳に氷を纏わせてぶん殴ってとどめを刺して終了。
マーブルは風魔法で、ジェミニは自慢の刃で魔物の首を刎ね、ライムは体を硬化して体当たりで頭部を破壊し、それぞれノルマを達成、初戦は私達の圧勝で終わった。
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