《3》妹の知らせ
【白状します。キャラ付けって……難しいですね】
いつもより長かった春休みが終わって学校が始まった。
先月までの中学校生活が終わり晴れて高校生になった。
懸案だった同学年の双子姉妹と幼馴染み四人組とは幸か不幸か入学する高校が全て違っていた。
姉妹や四人組同士でも同じ高校なのは少数だったようで義姉の長女も合わせた7人が揃うと制服の色は富みに富んで晴れやかだった。
「もう少し早く志望校がわかれば変えてたのにね」
幼馴染みの一人が呟く。
「冗談言わないでよ。こっちだって面と向かって対面したの今年に入ってからなんだから」
双子の妹がそれに噛みついた。
入学してから半月がたち、そろそろ近づいてくる五月のGWの話で浮わつき出す頃だ。中心にいる男一人の話で女六人がやいのやいのと大きく騒いでいる。
「兄さん、今日早いの?」双子妹がきいてきた。「兄さん」とは自分のことだ。どうやら誕生日が同じだったらしいのだが生まれた時刻がわずかだが自分より遅かったらしい。それで最近では兄と呼ぶようになっていた。
「どうなの?」
ちなみにこうやって覗きこむ双子姉は自分よりも早く母親から生誕しており自身を姉だと豪語している。
「今日はバイト遅めまで入ってるから夕飯要らないよ。一旦家に帰ってそれから直行する」
バイトは入学式の前から始めていた。学校は基本的にバイトは禁止だが事情を話して許して貰っていた。
「アルバイトか、いいな。私もしてみたい」
「これでGWは金銭的に安心だ」
幼馴染みはそれぞれに好き放題に言ってくれている。それを見て笑顔のまま別れ道まで聞き手に徹していた。
そして別れてから登校した学校でつつがなく授業を過ごして下校し自宅に帰宅すると見覚えのない靴が置いてあった。
靴は中学生の登校靴のようだが下の義妹二人のものではない。
玄関に上がるとリビングから声が聞こえてきた。
リビングにはいると母親と義妹二人そしてそこにもう一人、父方に引き取られたはずの妹が腰かけていた。
「あ、お兄ちゃん」
「久しぶり。来てたのか?悪い。すぐ出掛けるんだ。ただいま母さん、夕飯いらないから」
そう言ってリビングをでると実妹が後を追ってきた。
「なんだよ?」
「あのね、お兄ちゃんにお知らせがあるの」
「手早くな」
「あのね、南さん、南さんに二人目が出来たんだって……!」
それを聞いた途端足が止まった。妹のもたらした突然の知らせは階段の途中で自分を茫然とさせた。
それはあまりに、あまりに自分の両親が離婚にまで至ってしまったまさに原因だったから……。
―次回―
休みの日に両親の離婚の原因となった家に行く。そしてそこで出迎えた人物とは……。
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