女神さま
勝利だギューちゃん
第1話
神よ・・・
あなたに問いたい。
などとぼやいても、神は来ないし、話を聞いてくれない。
もし、死んであの世に言ったら、真っ先に文句を言ってやる。
あの世という物があり、そこに神がいたらの話だが・・・
「今、聞いてあげるわよ」
な・・・
なんだ?
「話があるんでしょ?聞いてあげる」
神様。
どう見ても、女の子だ。
「あのう、あなたは神様ですか?」
「とんでもない。私は神様ではなく、女神様です」
「どっちでもい」
この展開、疲れる。
「で、何よ。いっとくけど、たいていの事は自己責任だからね」
「たいていということは、少なからず、他者の責任もあるんですね」
「まあ、そうとらえても、いいんだけど・・・で、何?」
まわりくどいのは嫌いだ。
率直に言おう。
「神様」
「女神様」
「女神様、ならあなた方に言いたい」
「何を?もしかして、プレゼント?いいのよ、そんなの」
違います。
『あなた方は、どうして、アレルギーという物を、人類に与えた』
「気に入らなかった?」
「当たり前だ。アレルギーのせいで、どれだけ苦労しているか」
「そうなの?」
「こればかりは、自己責任ではない」
神様は・・・
「女神様」
こだわる人だ。
「じゃあ、もしアレルギーがなかったとするね」
「はい」
「卵アレルギー、牛乳アレルギー、甲殻類アレルギー、炭水化物アレルギー」
「ええ。あげればきりがないです」
「そうなると、人類全員が、それらを食すことになるの?」
「はい」
「そうなると、食料が足りないから・・・」
「ええ」
「だから、アレルギーを作って、食料の確保をしているの。わかった」
「はい」
神様。
「女神様」
こだわるな・・・
「わかってくれて、よかった」
女神様は笑う。
「・・・って、笑い事じゃない」
「どうして?」
「アレルギーのせいで、どれだけ苦労してきたか」
「気に食わなかった?」
「当たり前です。何とかしてください」
女神様は即答する。
「そいういう文句は、上司に言って。私は管轄外だから」
「責任転嫁ですか?」
「まあね」
「さっき、殆どは自己責任って言いましたよね」
「だから、わずかなことで、他者責任なの」
身勝手な・・・
「じゃあ、もう話はすんだね。暇つぶしが出来たわ」
神様
「女神様!」
それだけ残して消えた。
なんなんだ・・・
翌日
「ちょっと、あんたのせいで、私は上司の神様に、叱られたわよ」
「なんで、僕のせいなんです?」
「あんたが、私に面倒な相談をするから、女神から格下げされたのよ」
「たいていはては、自己責任ではなかったんですか?」
「だから、そのわずかな他者責任なんだってば」
女は疲れる。」
「で、女神から何に格下げされたんですか?天使ですか?」
「違うわよ。その下の巫女よ」
「巫女?」
「もう一度、やり直せって。だから、ここで修行させてもらうわよ」
「断る」
「だめ、もう決めたから・・・」
「それは、巫女さんに失礼だ」
神様。
あなたも、出来の悪い部下を持つと、苦労しますね。
女神さま 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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