ブレイドウィザード！！〜無能力者が異能力者の集う学園に殴り込みます〜

第24話:対抗戦

「早乙女君は居るかーい？」

「南雲さん？」

たしかか運営議会の....

「おー！覚えててくれたんだ少し良いかい？」

「は、はい？」

何だろう、また何か話でもあるのかな？

「まだ試合まで時間があるし場所を移そう」

「わかりました」

もしかして大会出るなとか....

「いやー、ごめんごめん、大事な対抗戦前に、実は僕は君に興味があってね？無能力者なのに強いなーって思ってたんだー！」

「そうなんですか....」

なんかすごい陽気な人だな

「ごめんね、早乙女君、これは未来のためだ」

「えっ...？」

急に意識が....

「ヴッ！！グハッ！！ゲホッゲホッ....」

何だこれ、急に胸が焼けるみたいに....

「な、何をしたんですか....」

「少し鍵をねっ！痛みはすぐ引くから、それじゃ、対抗戦頑張ってね〜！」

確かに痛みはもう無くなってきた、けど何だったんだ今の....

「つかさ！！」

「師匠？！」

来てなかったんじゃ...

「大丈夫か？！何があったんだ！」

「なんか南雲さんに鍵がどうとかって....」

それにこの師匠の服装なんだ？変装....？

「クソ....奴め、つかさ、頭出せ」

「え？」

急にどうしたんだ....

「良いから早く！」

「は、はい....」

さっきのと何か関係あるのか？

「まずい、アイツ無理矢理こじ開けやがった」

「師匠、どうしたんですか？」

こんなに焦ってる師匠、初めて見た

「まだかろうじてか...私がついてれば....つかさ、お前はこのまま試合に出ろ、私は色々あってゆっくり見てる時間は無いがな」

「えっ、ちょっ、ちょっと師匠！！」

行ってしまった....

「何だったんだ一体」

あの変装もそうだし、何か変だ

「あ、居た、早乙女くん、そろそろ戻りましょ、ていうか大丈夫？？」

「あ、いや、うん！大丈夫！戻ろう！」

南雲さんが僕の胸に手を当てて、その時は痛みがすごかったのに今は体が軽い、まるで羽が生えたみたいだ。

「戻ったか、俺たちの初戦は朱ヶ峰だ、実力はある程度あるが別に恐れることはない、皆、目の前で仲間が倒れようが、自分の出番が来たら全力で立ち向かえ、いいな！！」

「ハイッ！！！」

宇崎さん、最初は嫌な人かと思ったけどあの絢辻さんと一緒の生徒会委員だけあってまとめるのが上手い、実力もあるし...

「早乙女、以前も言ったがその、悪かったな無能力者と馬鹿にして、お前は強い」

「いえ、宇崎さんに言われて光栄です、この対抗戦、必ずみんなで勝ち切りましょう。」

良し、いこう。

「ブレイドフェスタ！四校対抗戦いよいよ始まります！初戦はあの噂の無能力者！早乙女司選手が居る黒城学園とー！相対するは、朱ヶ峰学園！いざ尋常に勝負と参りましょう〜！！」

すごい歓声だ、まだ学生のうちからもフェスタのファンはこんなに熱狂的なのか。

「一戦目！黒城学園先方！夜咲選手入場！対面入場口からは朱ヶ峰学園、椿選手入場！」

夜咲さんなら、何も心配はない。

「頑張って、夜咲さん」

「1分よ、1分で終わらせるわ」

流石、夜咲さん

「では対抗戦、1試合目、開始です！！！」

相手はどんな選手なんだろう....

「こっちから行かせてもらう！ウッドスパイク！！」

相手の異能は木を操る自然系、全方位からの攻撃ができる、けど、夜咲さんには敵わない

「凍てつく氷よ盾となれ・フリーズウォール」

氷の盾だ、やっぱ夜咲さんの異能はいつ見ても綺麗だ！！

「あまり時間は取れないの、これで終わらせる！！アイス！ローズ！ランス！！」

「な、なに？！！」

48秒、今やったら僕も勝てるか分からないな

「き、決まったー！何と言うことでしょう、開始48秒での決着！！今年も黒城は強いのか？！！」

夜咲さん、僕が知らない技も使ってるし、師匠との修行の成果かな

「あまりに早い決着に実況も開いた口が塞がりません！ですが！次の試合に移りましょう！敗れた朱ヶ峰学園、椿選手に代わり、次鋒、嗣路（つぐろ）選手の入場です！！！」

対戦相手の目、あの目は敵を恐れている時の目、これは次の決着ももう決まったかな。

「試合終了〜！！！四校対抗戦、初戦！黒城学VS朱ヶ峰学園の試合はなんと！先鋒夜咲選手による完勝です！！！！」

まさか一人で全員倒すなんて....

「おつかれさま、流石だよ、これ程とは思ってなかったけど、成果出てるみたいだね」

「何がこれほどよ、1分って言ったでしょ」

ん？全ての試合1分以内に決着がついてたはずだけど...

「えっ？！まさかトータルで1分って事だったの？！」

「当たり前でしょ、あんな地獄のようなトレーニングしてたんだから、それぐらいしないと」

僕の知らない間に心まで成長してたんだ、あの入学してすぐの夜咲さんとはもう違うんだ....

「僕も負けないように頑張らなきゃ！」

「安心しなさい？貴方には回さないわよ、この対抗戦は私が全て勝ってみせるわ」

流石にそれは....

「でも、何だか嬉しいよ、みちがえたね」

「な、なによそれ....」

もしかして照れてるのかな？そんなわけないか

「明日もあるし、今日は休もう」

「そうね、楽勝、とわいっても疲れたわ」

でしょうね、あれだけ大技ばかり使ってたら、でもきっとそれも卒業後を意識した夜咲さんなりの努力なんだろうな。

「よくやったぞ夜咲！！」

「ありがとうございます」

先輩方も良い雰囲気だし、このまま決勝まで行きたいな

「今日は宴会でもするか？！」

「嫌です。」

いや、断るんだ....