第23話:すれ違い
「いよいよ対抗戦が始まる、それについて今から説明するからちゃんと聞くように」
ドタバタと始まった二学期だけど、ついに対抗戦が始まる。
「対抗戦のルールは至って簡単、四校による総当たり戦、先方から大将の5人による勝ち抜き戦だ、役割はお前たちに任せる、黒城の何かけて全力勝て、日程は来週からだ、いいな」
「ハイッ!」
緊張してきたな、きっと激しさも選抜戦以上のものになるだろうし。
「対抗戦とは違いお前たちはこの学園を代表とする仲間だ、無駄な確執や感情は捨てろ」
「理事長、それは良いですけど、無能力者ってやっぱほんとに居て良いんですかね?」
あの人は生徒会の宇崎さん....
「説明がまだだったな?早乙女は正式に認可されたことは勿論お前たちもしっているだろう、それに夏季休暇中に運営から呼び出しを受け、そこで出された課題を早乙女は見事クリアした、まだ何か議論はあるか?宇崎。」
「い、いえ、なんでも。」
血繰秘孔の事もあるしあんまりそのこと言わないで欲しいんですけど....
「尚、この大会はお前達の将来にも関わっている大会関係者はもちろん、色々な方面の人間が観に来る、それも意識しておけ、では解散だ」
プロのウィザードリーグに出るには当然スポンサーとなる支援者が必要だ、無能力者の僕にとってはその支援者が付くかどうかも分からない、でも、頑張らなきゃ
「つかさ、話がある、来い」
「なんですか・・・」
いきなり殴っ....
「意識、失ったのか、僕....」
「司、また来たのか」
そういえば師匠にいきなり殴られて、ていうかここは前見た夢の....
「大事な戦いが近いらしいな、そうだ、父さんの技を一つ教えてやろうか?」
父さん?この人誰なんだろう
「本当に困った時はこれを使うんだ....」
アレ?この間よりもっとぼんやりして、表情とか見えなく....
「ハッ.....」
「起きたか。」
師匠?やっぱり僕を殴ったのは師匠だったんだ
「さっきのは何ですか?いきなり」
「すまん」
すまんって....
「それにまた前の夢みましたよ、前もぼやけてましたけど、今回はもっとぼやけてて」
「そうか。」
どうしたんだ?師匠、やけに真剣に
「いつか言おうと思ってたことがあってな、だが、その様子なら大丈夫そうだ、また今度」
「えぇー!何ですかそれ!気になります!」
あの夢と何か関係があるのか....
「腹、殴って悪かったな」
「いや、まぁ、それはいいですけど....」
いつも修行で殴られてるし
「対抗戦、来週だろ?また明日から修行だ」
「は、はい!」
少し疑問は残るものの、その日はそのまま寮に戻って休み、翌日、同じく対抗戦に出る夜咲さんと師匠にトレーニングをつけてもらっていた
「こう!いや違うな、こう?か?いや....」
あの人が夢の中で言ってた技って確か....
「なにしてんだ?つかさ」
「何か夢で見た人にとある技を教わったんですよ、それがどうも思い出せなくて」
大抵の技ならすぐコピーできるのに
「確か名前は炎....」
「ヤメロ!今すぐそんなのやめろ、所詮夢の話だ、気にせずに与えたものをこなせいいな。」
師匠、やっぱり昨日からおかしいな
「でももう少しでできそうなんですよ〜」
「いいから....やめろと言っているんだ」
殺気だ、やっぱり師匠はこの話、嫌いなのか
「今日はここまでだ、2人とも休め」
「は、はいっ....」
どうしたんだ師匠、部屋でも素っ気ないし。
「貴方の師匠、どうしたの?」
「わからないんだ、僕にも」
幼い時に拾われてそこからずっと一緒だったのに、師匠の気持ちが分からないなんて....
「一度真剣に話し合いでもしたら?」
「んー、しようとはしてるんだけど....」
はぐらかされるしな....
「まぁ、対抗戦もちかいし、何かあるならその前に解決した方がいいわよ」
「うん、少しやってみるよ」
そしてそこからの一週間はあっという間に過ぎてしまった、師匠とは相変わらずのすれ違いでいよいよ対抗戦当日を迎えてしまった
「ここが会場かデケェなー!!」
どうしよう、師匠と気まずいまま来てしまった。
「大丈夫なの?」
「あぁ、夜咲さん、大丈夫、だと思う。」
選抜戦の時は毎回師匠に励まされてたし、本当は大丈夫じゃないけど、やるしかない。
「おーい、一年2人〜、控室行くぞ」
「すみません宇崎さん!今行きます!」
初日なんだし集中しないと。
「昨日も言ったが、先方、夜咲、次鋒、近藤、中堅、鶴実、副将、早乙女、大将、俺で行くが良いな?俺たちはチームだ」
「ハイッ!!!」
近藤さん、鶴実さん、そして宇崎さんとはこの一週間理解しあえたし、それなのに僕がこんなことで躓いてたらダメなんだ。
「見に来てないの?」
「うん、そう見たい、ひょっとして破門かな」
師匠のことだからそれなら一言何か言うとおもうけど....
「気にしないで!夜咲さんにまで迷惑かけられないし!僕はもう大丈夫だから!」
「そう...」
まずは初戦、乗り越えなきゃ。
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