戦国時代にタイムスリップ?!お殿様のお城で働くことになっちゃった!

マグロ

第一章 戦国時代

第1話 漫画みたいな私

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

ピッチピチの女子小学生・ただいま必死で走っております!

私・左門さもんのあ。私の通う小学校は、8時30分登校。家から学校まで歩いて約20分。そして現在8時20分――


うん、やばい!


通行人にすっっごい見られてるけど、そんなのお構いなしぢゃ!

勉強も運動もペケの私が狙うのは、

「皆勤賞なんですううううううううううううう」

あ、やべ。心の声が――


ツルッ。


「バッ、バナナああああああああああああああああああああああ?!」

ナンデ ツウロ ニ バナナ ガ?


その後。


私は(私にしては)信じられない速さでダッシュしたのだった。



「はああああああああ……間に合ったああああ……」

なんとギリッギリ間に合ったのだ!!


「お前ってそんな速く走れたのな」

む。けんちゃんめ、私より早く来たからって、上から目線だぞ!

「うるさいなあ…」

あ、けんちゃんは私の幼なじみ。田辺健一たなべけんいち。略して“けんちゃん”。

「のあ、何時に起きたんだよ」

げっ。


「は、8時、デス…」


けんちゃん呆れ顔。


「あははは…あっ、明日の時間割書かなきゃー」

あれっ?筆箱が、ない…

「けんちゃん…鉛筆と消しゴム貸して…」

「もー知らん!」

「えーっ!ちょっと待ってよ!けんちゃん!いや、健一さま!」


「左門さん、貸すよ」

ん?後ろから声が…


「星野君!」

星野将暉ほしのまさき君。イケメンで、女子にも優しいの!そして全然チャラくない!


あれ?さっき「貸すよ」って…

「鉛筆と消しゴム貸すよ」

「神様!」

思わず星野君の手を握っちゃった。


ギスギスギスギスギスギス


うっ、女子の視線がイタイ。

「ありがとう!帰りに返すね!」

それにしても、星野君優しいなあ…


――放課後――

「ありがとう!助かったよ!」

静まり返った教室。

私は星野君に借りていたものを返した。

けんちゃんはいるけど、やっぱり緊張するなぁ…

「助かったって、大げさ過ぎだろ…」

ボソリとつぶやくけんちゃんに私は軽いげんこつをかます。

「いいよ。いつでも頼って」


改めて思ったけど、やっぱり星野君ってイケメンなんだな――



「のあ、そのケガどうしたんだよ」

お、けんちゃんにしては気が利くじゃん。

「朝バナナの皮ですっ転んじゃって…」

「はあ…気をつけろよ」

――昔は弟みたいに可愛がってたけど、反対になったみたいだ。


「じゃあなー!転ぶなよー!」

「うん! ばい!」


けんちゃんと別れて少し。

何だかちょっと寂しい。

空がきれい。今、けんちゃんもこの空を見てるのかな。


む、少し先にコーヒー缶が落ちてる。ポイ捨ては良くないぞ!(あ。このメーカーのコーヒーおいしいんだよね。)


そのとき。


コケッ


空がひっくり返っ―――


――そういえば、家の近くで工事中のマンホールがあった気がする。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


マンホールに、落ちちゃった!!

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