彼女が見た景色をもう一度

水葱ちゃん

第1話事故で亡くなる前の日

ピピピ・・・ピピピ・・・


ある土曜日の午前7時 20XX年


「ふわぁ〜」


私の名前は上川アリス ごく普通の中学生


「今日は土曜日か〜」


着替えながらどこに出かけようか考える


「今日は天気がいいな〜じゃあ、気分転換に外をお散歩しよっと!」


朝ごはんを食べた後、靴を履く


「行ってきます!」


家のドアを開け、外に出る


ピピピピ


鳥の鳴き声が聞こえる


のんびりと歩きながら交差点に出る赤信号だ


子猫が道を渡っている


と、そこに車がやってくる


「あ、危ない‼︎」


キキィィィ ドン!


子猫を守り自分が車に跳ねられる


きゃあ‼︎


女の子が轢かれたぞ!


誰か救急車を!


街の人がざわめいている


(わ、私、轢かれたの?)


視界がぼやけていく


ピーポーピーポー


救急車のサイレンが街に広がる


「もしもし!聞こえますか?」


返事をしようとしたが声が出ない


『アリスよ、聞こえるか?』


声が聞こえる


『返事をしてくれないか?』


どうやら私に直接話しかけてるらしい


(あ、あなたは?)


その声に質問してみる


『わしは神様じゃ』


か、神様⁈いやいや!


冗談じゃあるまいw


そんなアニメや二次元の世界に存在する神様が私に⁈


落ち着け私、落ち着け


意識が朦朧とする中、神様に話しかける


(あ、あなた、本当に神様?)


神様は、答える


『そうじゃ!お主はまだ死ぬには早すぎるから生きる権利を与えようと思ったんじゃ!』


私に、生きる権利・・・?


『今お主は、生死の境におる、多分もうすぐ死ぬがな』


やっぱり、って!信じるな私!


『信じなかったら、もう今日で君の命はおしまいじゃ』


今日で終わり・・・出来ればまだ生きたいな


(あ、あの!まだ生きたいです!)


今はもう神様に信じることにした


『ふぉっふぉ、それなら、選択肢をあげよう』


(選択肢?)


ちょっと心配になる私


『まず、二次元に転生するか、普通の人間として一からやり直す、のどちらかだ』


ちょい待ってw二次元と普通の人間の選択肢の差がやばいw


『早く答えておくれ』


もしこれが本当のことなら、また一からって言うのは嫌だな〜


(もし、私が二次元に転生するって言ったら、どうなるの?お姫様だとか、そういうのは?)


ちょっと気になって聞いてしまった


『う〜む、じゃあ、三つ、願いを叶えてあげよう』


なら、私の答えは決まった


(に、二次元に転生したいです!)


『そうかそうか、なら、願い事を言うが良い』


私は、もう決めている


(一つ目は、国の英雄!二つ目は、能力を自由に使える!三つ目は、出来ればハッピーエンドで終わりたい!)


神様は、少しびっくりしていたが、すぐに私に


『これで良いのか?』


私は、生きている間も、とても幸せだった


友達もできたし


沢山の思い出も作れた


(はい!)


私は元気よく返事をした【つもり】


『なら、始めるとするか』


私は目を瞑る


ピーーーーーー


午前8時30分


ご臨終です


アリス!アリス!


お母さんが泣き崩れる


なんて事だ、まだ若いのに僕たちよりも先に死んじゃうなんて...


お父さんもショックを受けている


(私は、今日から、違う運命を過ごすんだ、ちょっと心配だな)


(お母さん、お父さん、ごめんなさい)


自分の意識が、そこで途切れた

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