第50話 休店のお知らせ

 雑踏の中にまぎれて消えて行く奥の店員さん。まだ片付けがあるとこぼしていましたから、何かお店であったのでしょう。そういう所がチラッと見えた気がしました。


 私は彼を見送った後、改札を抜けて電車に。揺られて最寄り駅に到着しても、なんだかあの時の緊張が残っていましたから、まだ現実感がありませんでした。


 とりあえず帰宅しても、なんともほうけてしまいますので、早々にシャワーを浴びて寝る事にしました。ですがベッドに入ってもなかなか寝付けず、空が白んできても悶々としてました。なんとも調子が悪いです。


 そのまま朝になって起床して、ともかく出勤しないといけませんから、身支度をして出かけます。また電車に揺られて会社に行きました。


 出社して準備をしていると、先程出社してきた遠藤さんが慌てて私に話しかけてきました。

「松本さん! コーヒースタンドが……」

 えっ? 何があったのでしょう。ともかく行ってみる事に。


 そうしましたら、コーヒースタンド『ピーベリー』はシャッターが閉まっていて、そこに貼り紙がありました。


「しばらく休店致します 店主」


 えっ……? これって……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る