第45話 邪魔が入る
「じゃあ……深炒りをひとつ」
私が注文すると、遠藤さんも同調します。
「あ、私も」
私たち2人の注文を受けて、奥の店員さんはちょっと戸惑いながらもコーヒーを淹れてくれます。
「あ、あ……、はい。では」
気合いを入れて淹れようとした矢先に、普通の注文ですから、それは肩透かしになりますね。それでも手際良くコーヒーをドリップして淹れてくれますから、身体に染み付いた技術は嘘をつきませんね。
「お、お待たせしました。深炒りふたつです」
紙コップにプラスチックのフタをかぶせ、前のカウンターに出来上がったコーヒーを置きます。代金を支払ってさて店員さんの名前を……と思った時に、横からガラの悪そうな男の人2人が割り込んできました。
「おう、にいちゃん。テメェん所のツケ、本当に払えないんか?」
また石原さんのツケの事で、取り立てが来ているのです。よほど石原さんは良くない所でお酒を飲んでいるようです。
「……。今あるお金はこれだけです」
奥の店員さんが出したお金は、先程私たちが支払ったコーヒー代金のみ。もちろん手提げ金庫も出して開けますが、中身はからっぽです。
「……ちっ……」
ガラの悪そうな人たちは、それだけ見て帰って行きました。関わりたくないですね。
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