第43話 また聞き忘れました
「大丈夫ですよ。これでも、心身共にタフですから」
私の答えに応えるように、胸を張って笑ってみせてくれる奥の店員さん。そのから元気がなんだか痛々しいです。
「まあ、今日はそんなゴタゴタがありましたからね。焙煎するにも店内を片付けないと。そんな訳で、今日の焙煎はお休みで。すいません」
結局、焙煎作業どころでは無くなってしまったので、そのまま解散。私も気が抜けたように、帰路につきました。
「あ……。名前……」
また聞き忘れてしまいました。こう、なぜタイミングの悪い時に当たってしまうのでしょう。これは仕方ないです。今度は昼間の営業の時に聞いてみましょう。
そして次の日、いつものように出勤し、午前中の仕事を片付けてから、遠藤さんと一緒にコーヒースタンド『ピーベリー』に向かいます。
自分でも可笑しいくらいに緊張しています。やっぱり私は、それだけ他人と深く関わるのは苦手なんでしょう。
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