何てリズムの良さだろう。
読み聞かせに打って付けの作品だと思いました。

全体がひとつの歌のようです。
子供は罪のない無心な生き物なのですね。
「とばしる」という名詞があるのか少し気になって調べてみましたが、ありました！

「ぜんぶほしい」の歌や、「あれ、おんちだ」の台詞に笑わされてしまいました。「あっ」「あっ」「あっ」なんていう台詞が誰に考えられるでしょうか。なつかしい学芸会を見ているようです。他の作品より少しだけ漢字が多く、書き方にも微妙な違いがあるような気がしました。

感動で抱きしめたくなりました。木村さま、これは、小さな大傑作です‼
散文なのになぜこれほど詩的なのか、ヤ子たちはなぜこんなにも無垢なのか、こんな簡単な言葉がなぜ可笑しくて暖かいのか … 、様々な疑問が浮んで来ます。一つ一つの文章をとれば何の変哲もないはずなのに、語り口にも台詞にもぬくもりと小気味よいリズムがあり、十ヶ所も二十ヶ所も微笑まされてしまいました。日頃、小器用に書きたがる我が身のあざとさを思い知らされます。

これほどあどけない可笑しみがどこから来たのでしょう⁉
言葉に暖かく洗い清められて行く思いです。