春のかがやき


 蒲公英色たんぽぽいろに、フサフサと小さく揺れる

 少しとがった手足を持っているけれど、害なんて一つもない

 私たちは、あちらこちらでいろんな名前で呼ばれるわ

 それが本当に面白くて、とっても愉快ゆかい

 ちっちゃいからこその、大きい生命力せいめいりょく

 だからどんな所でだって、たくましく適応して、可憐に咲くのよ

 だれよりも負けないくらい、進んでるんだから


 それからね、私たちを食べられるって言うんだから驚き

 その力でみんなを助けられるみたいなんだけど、私自身が綺麗な身なりだったら良いと思うの……だからそれ以外は、微妙よね


 そして最後は、また新しい私たちが生まれて来てもらうために、ふわっ ふわっの愛らしい形になるの

 それでね、みんなやまわりの子たちが私をどこまでもどこまでも遠くへ連れてって、旅立たせてくれる

 それはとってもありがたい

 

 うららかな気分のとき、私を見つけてみてね






 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る