日本の桜色


 奥床おくゆかしいあなたたちに、とっても馴染なじみ深いわたしたち

 甘く恋焦がれるような淡紅色たんこうしょく薄桜色うすざくらいろ

 わっと、大きく大きくみんなを包み込む


 私たちの特徴はね、少し移りがあるところ

 だからね、そのときそのときによってね、色んな可愛い子たちが生まれてくる

 みんなにはちょっと大変な思いをさせているみたいなんだけど、でも、流れるとき景色けしきにまた魅力的みりょくてきな色を添える

 そう思うと、私たちもまだ、捨てたものじゃないじゃない……?


 ワクワクな気持ちで舞い上がりそうなときも、心がどうしようもなくかなしみで包まれてしまうときだって

 優しく、温かな色彩しきさい

 そっと抱きし締めて、見守っている

 だから心配なことなんて、なんにもない

 その一瞬を乗り越えるまで、私たちはるから

 

 嵐が来てしまう前に、思いきっておいで

 新しいなにかが、見つかるかも知れないから

 


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