二人の想い

ハル

第1話二人の間には

「綾霞(あやか)、告白されたんだって?ねえねえ、相手はどんな人だったの?」



親友の、木村 由佳里(きむら ゆかり)が聞いてきた。



「えっ!?どんな人って…他高生だったし」

「勿論、OKしたんでしょう?」


「…ううん」


「ええっ!?どうして?」

「ちょっと…ね…」

「そうかぁ~。もしかして好きな人いたりする?」



ギクッ



「えっ?ううん別にそうじゃないんだけど…」

「そうなんだ」

「うん」






~ 恒河(こうが) side ~



彼女は、麻淵 綾霞(まぶち あやか)

当時、17歳。


そして俺は

浅石 恒河(あさいし こうが)

当時、17歳。


彼女は男女問わず友達が多くて

マドンナ的な存在。


そんな俺は彼女に恋をしていた。



――― でも ―――



「なあ、なあ、恒河」

「何?」

「今度さグループデートしようぜ!」

「グループデート?つーかフレンドデートってやつだろう?」


「そうそう」

「別に良いけど?」

「やった!サンキュー」




そんな中、彼女の視線を感じるのは気のせいだろうか?




~ 綾霞 side ~



彼が視線を感じるのは


私も彼に


恋をしていたから




―――― だけど ――――




私達の





~恒河 side ~



俺達の




~ 綾霞、恒河 side ~



恋は引き裂かれるように


沢山の人が


壁を塞いでいた




そして



飛んでもない形で


俺達ふたりは


私達ふたりは


再会する





数年が過ぎ ――――



麻淵 綾霞。20歳。学生。



「綾霞、今日、お仕事が残業で遅くなりそうだから、戸締まりキチンとして寝るのよ」


「OKー」



私の姉・麻淵 由菜(まぶち ゆな)

25歳。独身。OL


私は姉と同居している。



「それじゃ、行ってくるわね」

「行ってらっしゃい」



私は姉を見送ると、後片付けをする。





♪~


私の携帯が鳴った。


メールだ。





『ヤッホー。おはよう、あやか。今日の授業の後、合コンに付き合って!』




♪~


『おはよう。合コン?無理、無理。今日お姉ちゃんが仕事終わりが遅いから行けない。ごめん』



♪~♪~


『頭数足りないからお願い!あやか以外いなくて無理を承知でお願いします』



私は考えた末、仕方なく参加する事にした。




その日の夜、合コン後の事だった。




合コンの相手の一人の男の人と同じ方向だった為、一緒に帰る事に。



彼の名前は、

浅石 尚貴(あさいし なおき)さん。23歳。



「ねえ、友達からゆっくり付き合わない?」


「えっ?」


「本当、ゆっくりで良いんだけど…どうかな?」


「それは…えっと…付き合うという事には縛られたくなくて…」


「じゃあ、出掛ける位なら大丈夫?」

「それなら大丈夫だと思います」

「分かった。じゃあ…お願いします」



私達は連絡先を交換し、日程を決め出掛ける事にした。




出掛ける当日。


「尚貴君、ごめん、お待たせ」

「大丈夫。俺も来てから、まだそう時間経ってないから」




私達は出掛ける。




「綾霞ちゃん、高校の時、モテていたって話だし付き合った人いたりしたんでしょう?」


「えっ?いないよ。告白される事はあったけど、当時、好きな人がいたから」


「じゃあ、その人に告白すれば良かったじゃん!もし俺だったら即OKだけど」


「そう?ありがとう」






『好き』


その一言が


言えなかった……



卒業して後悔している


自分がいること


どれだけたくさんの


思い出も


過去の思い出も



たった一言だけ


言えなかった自分が


腹立だしい中


悔いのない思い出つくり



あなたは


どうですか?













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