4.まあいいわ。
両手には、百貨店の地下でこれでもかと買い込んだ、お上品なスイーツと豪華なお
そもそも、婚約指輪と
「いやあ、楽ちんね、これ! ちょいちょい任せるから、これからもよーろしくー!」
頭の中で
アシャスの方は
「そりゃ、口出しだけのそっちは楽なんだろうけど、こっちはヘトヘトだよ……こんなに荷物、増やしてさ」
「罰ゲームよ! あんな熱烈に愛の告白したんだから、その勢いで御休憩しても良かったのに、もー!」
時計台の騒ぎから、アシャスとヒカロアの意識に、
もちろん、
「応援も協力もしてあげるって言ってんのに。ヘナチョコねえ」
「お、女の子は、もっと
「ふふん、まあいいわ。そういうモヤモヤ期もお約束、背徳的な愛の
「背徳って言うな!」
「じゃ、あたし先に寝るから。部屋に帰って
「お、おい! 風呂って、俺に入らせるのか? この状態で?」
「なによ、あたしの記憶があるんだから、自分の身体も同じでしょ? 手を抜かないで、しっかりケア、頼むわねー!」
言うだけ言って、
「順応が早いよな、まったく……。それにしても、まあ、
ため息が、
昨日の土曜日は、都内のホテルの結婚式場を二人で予約した。イタリアンレストランで早めの夕食をとってから、シャンパンと小さめのフルーツタルトをホールで買って、
それからキスをして、抱き合った。
指の感触も、
「い、いやいやいや、ない! それはないって!」
アシャスの意識が
同じことをこの状態で、なんて、できるわけがなかった。ヒカロアはできるかも知れないが、それこそが問題かも知れないが、とにかく今、
「結婚、するんだよな……それまでに、どうにか……」
どうにかもこうにかもないが、アシャスはもう一度ため息をついて、立ち上がった。
いつまでも玄関先に、へたり込んでいるわけにはいかない。買いまくってきたスイーツもお
「女の身体って本当、筋肉、少ないんだな」
しようもない
「ええ、と……ミツヒデか。一晩留守にして、悪かったな」
ここはペット可の物件で、
それなりに傷心だった
また
実際、卒業式の日に
ついでに、命名も
戦国武将からだが、別に歴史がどうこうではない。ちょうどその頃、好きだったゲームの美形キャラだ。
しかしながら、当のミツヒデは少なくとも六歳を超えて、むしろ本来の戦国武将的な風格があった。今も一声鳴いたきり、姿勢を正して
「
「その様子なら、成功したらしいな」
唐突に、声がした。
低く落ち着いた、それでいて
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