第1話  『桜洋守 凌羽』

 

 ブタや乳牛たちの死体は、腰の部分でまっぷたつに両断されていた。


 大きく見ひらいた眼球のへりには、何十匹ものハエがたかっている。


 季節はずれのあたたかさがつづいたからだろうか。


 連休明けの五月のわりに、ハエの数が多いようにもおもえた。


 まるでおまつりさわぎである。


 死後硬直をすすめる三十数頭の家畜の死骸。


 それらは、上半身も下半身も、切断面を下にして立てられている。


 そのようすは、チェスの駒のように見えた。


 東京都の西にある勝山農業高校は早朝から不穏な空気がただよっていた。


 実習のために飼育されているブタと乳牛たちが、一夜にして無残な姿に なりはてていたのだから当然だ。


 新聞社やテレビ局のヘリコプターがせわしなく頭上をいきかっている。



「まったく……、誰がこんなことをしたんでしょうね。当直の教師の話じゃ、ゆうべの八時ころまではなんの異常もなかったそうですよ。クマとかイノシシとかのしわざですかね……? どうおもいます?」



 目の前を飛ぶハエを手ではらいながら、二十代なかばの男性刑事が問いかける。


 その声に、後方から歩いてくる中年太りの先輩刑事が顔をしかめ、



「アホか国分ッ。クマが殺した家畜を喰わずにわざわざ立てておくかよッ! 人間だ人間ッ! だいたいこのあたりにクマがでるかよ、バカッ、おんッ?」



 荒い語気で答えた。


 先輩の山端は、なにかというとどなりちらす。


 いや、地声がデカいだけなのかもしれないが、国分は辟易へきえきとしていた。


 と、



「……あのぅ、どーも。おはようございますぅ」



 ふたりの背後から声をかける者がいた。


 山端と国分がふりむく。


 すると鑑識官や制服警官たちの中にひとり、見知らぬ顔の青年が立っていた。



 デニム地のシャツにカーゴパンツ。


 ショートブーツをはいた短髪の青年が、温和な表情をうかべて会釈する。


 身長一メートル八十センチほどあるやせ型で、人あたりがよさそうな雰囲気をかもしだしている。



「あ、生徒さん? 悪いけど、まだ捜査中だから、校内にいてもらえるかな?」



 国分がにこやかに対応すると、



「あ……、いえ……。あの、そうじゃないんですけどもぉ……。あれぇ……」



 バツが悪そうな顔をしてほほをかく。


 山端と国分はそんな青年から、つぎの言葉を待った。



「……あのですね、ボク、内調ないちょうから派遣された者なんですけども……」



「……へ? ないちょう……?」



 聞きなれない単語に、国分は首をかしげる。



「はい。内閣情報調査室の特殊事案課から派遣された、桜洋守凌羽さくらひろもりりょうはといいます。山端刑事に話をとおしてあるといわれたんですが……」



 山端はなにやらおもいたち、ズボンのポケットから最新機種のふたつ折りケータイをとりだす。



「おん? メールがきてるな……。課長からだよ。ああ……たしかに、内調の人間が派遣されたから面倒をみろって書いてある……。なんだよ、うっとうしいな」



 よく聞こえるひとりごとを凌羽にとどくようにつぶやいて、あからさまにため息をつく。



「いえ、おじゃまはしません。ボクのいる特事は警察のみなさんのように捜査権はないんです」



 雰囲気の悪くなった場をとりつくろうように、凌羽はあいそ笑いをうかべた。



「じゃあ、なにしに現場まできたんだよ、おん?」



 夜勤あけのあぶらっぽい頭をボリボリかきながら、山端は吐き捨てる。



「ボクの仕事は、怪事件や都市伝説などの調査をすることで、犯人を捕まえることではないんです。今回の件をレポートにまとめて、報告書として上にあげるだけですので、お話を聞かせていただく程度で引きあげます。ですから、すこしのあいだだけ、ごいっしょさせてください」



 一夜にしておこった家畜の惨殺事件は、たしかに怪事件といえるだろう。


 となれば警察以外の組織が興味をもつこともあるかもしれない。


 そう判断した山端は、



「……まあよ、課長からの指示だからなぁ。……おい国分。そいつの相手してやれよな」



 と、しかたなさそうにいった。



「うぇえッ、オレッすか?」



 急に丸投げされてあわてるが、山端は国分の返事を聞こうともせず、家畜の死体を調べている鑑識官のもとへむかった。


 ふぅ、とひと息ついて国分は気を落ちつかせる。


 ムチャぶりはいつものことだ。


 いちいちイラつくな。


 そう自分の感情をおさえようとしている国分の表情を見て、凌羽はもうしわけなさそうに話しかける。



「……あの、よろしくおねがいします。それから、レポートには協力していただいたかたのお名前を報告書に書かなければならないのですが、国分さんの氏名を記載してもよろしいですか?」



「え……? オレの名前書くの? それって上司に提出するんだよね? もしかしてレポートは内閣総理大臣様にも見せたりするの?」



「もちろんです。ボクのいる部署のトップですから、いくつかの段階をへてとどけられます。ご迷惑ならば匿名希望ということにもできますが?」



「い、いやいや! 匿名じゃなくて、ばっちり書いといて! 勝山署の国分ってね! んじゃ、はりきっていこうかッ!」



 今、国分の脳裏にはっきりと出世街道の光明がさした。


 ここで恩を売っておけば、目の前の桜洋守凌羽がえらくなったときに、そのパイプを利用できるかもしれない。


 あわよくば総理大臣に引き立てられ、警視庁、いや、警察庁や内閣情報調査室に登用されることがあるかもしれない。


 いつまでもウダツのあがらない先輩刑事の嫌味を聞き、ストレスのはけ口にされるのもうんざりだ。


 すこしでもチャンスがあればその機会をムダにすることはないのだ。


 そうおもうと自然と顔がほころぶ。



「で、さくら何ひろ……くんだっけ?」



「あ、苗字、長いので、凌羽でいいです。それから、ボクのほうがずっと年下ですから敬語とかもやめてください」



「うん。じゃ、凌羽くんね。……で、年はいくつなの?」



 顔の肌にはりがあり、とても若く見える。



「今年、一八歳になります」



「じゃあ、高校三年生? それなのに内調の仕事をしてるなんてすごいね」



「いやあ……」



 照れくさそうに笑う凌羽を見て、国分はまた思案をめぐらす。


 そうか。


 彼の親はきっと大物で、そのコネを利用したのか。


 でなければ高校生が内調の仕事につけるはずがない。


 やはり機嫌をとっておかなくてはならないな。


 あらためて国分が決意する。



「それで国分さん、今回の事件の概要をおしえていただきたいんですが……?」



「ああ。そうだね」



 ゴホンとセキばらいして、国分は刑事の顔になる。


 凌羽は胸ポケットからとりだしたボイスレコーダーの録音ボタンを押した。



「まあ、概要といっても、じつはまだたいしたことは何もわかってないんだよ。鑑識の話じゃ、ブタや牛の死体はね、腰あたりでまっぷたつにされてて、腹部には杭が刺さっているそうだよ」



「杭……? どこです、見えませんけど……?」



「うん、死体がたおれないように、杭を軸のように使っているそうなんだ。駄菓子屋に売ってる棒アイスみたいな、あんな感じで。……その内部の杭はね、……ほら、うしろ……、そこの、木の柵を加工してこしらえたものだろうってことだ」



 国分は凌羽の後方を指さす。


 木製の防護柵を使用し、杭として加工した際の木クズが落ちている。



「おそらく家畜の腹部を一刀両断した刃物とおなじものを使ったんだろうね」



「刃物の見当はついてるんですか?」



「一応、刀ってことだね。マグロを解体するときの長い包丁か、日本刀。それに近い工具。ま、なんにしてもかなりでかい刃物だそうだ」



「宿直のかたは気づかなかったんですか?」



「朝の六時に現場にくるまで、鳴き声はおろか、物音にも気づかなかったそうだね。……見立てじゃ、まず犯人は家畜たちのいる厩舎に侵入して、なんらかの方法でブタや牛を気絶させ、ここまではこびだした……。この場所以外に血痕がないから、殺害現場はおのずとここ以外にないだろう、ということだね」



「なるほど……。防犯カメラとかは設置されていなかったんですか?」



「いや、あったんだ。たまに不審人物が入りこんで、牛の搾乳を勝手にやっていくそうでね。ただ、今回はそのカメラが使いものにならなかったんだよ」



「故障ですか?」



「んー、ま、故障といえば故障なのかな。今は問題なく作動しているそうなんだけど、なぜか犯行をおこなっていたであろう時間、録画されていたのは、ずっと砂嵐状態の画像でね。校門とか、厩舎とか、しかけてあったカメラが全部ダメになってたんだ。……変な話だろ」



「そうですね。その時間だけ、電気系統が狂うような特別なことでもあったんですかね」



 凌羽の質問に、国分は、



「ん~」



 と腕組みしてかんがえこむ。


 どうやらまだわからないらしい。



「……まあ、犯人は何人かの愉快犯か、あるいはカルト宗教の連中……そんなところかな。とにかく単独犯ではムリだろうね」



「そうですか……」



 つぶやきながら、凌羽は家畜の死体に近づく。


 ずびゃり、ずびゃり。


 足もとは、粘着質をもちはじめた血液でびたびたに濡れている。


 ショートブーツが赤黒くよごれた。


 そこには五月のすがすがしい朝の空気はない。


 忌々しく、呪いのこもっているような、よどんだ瘴気で満ちている。


 一歩ふみだすたび、ぶおぶおと音を鳴らし、ハエたちが逃げまどう。


 低音の羽音が、生理的な拒否感を生みだす。



「……それにしても、すごい切り口だな……」



 殺された家畜の切断面は美しいほどまっすぐだった。


 感心して、おもわず凌羽が声をだした。



「――おんッ? 小僧ッ! 部外者が近づくんじゃねぇよッ!」



 突然の大声に凌羽がおどろく。


 びくりとして肩をすくめたまま、声の主と目があった。


 山端だ。


 怒りの表情が顔にはりついている。



「す、すみません。おじゃまでしたか?」



 凌羽がもうしわけなさそうに頭をさげる。


「おい国分ぅッ! このアンちゃん、そっちに連れてけよッ! ガキの子守りひとつできねえのかッ! おんッ?」



 怒りの矛先が、後輩刑事にむく。



「は、は~い、すんませ~ん」



 ……ったく、うるせーなあ。


 おんおんおんおん、なんだっていうんだよ。


 いるんだよな、声がでかいってだけで人よりも優位に立ってるとかんちがいしてるヤツ。


 このガニマタ野郎ッ……!


 つくり笑顔で返事をした国分の腹は、つもりつもったストレスでいっぱいだった。



「……つーわけなんで凌羽くん、こっちにきといてもらえます?」



 引きつった国分の笑顔が怖かった。



「あ、はい……、すみません」



 ずびゃり、ずびゃり。


 凌羽が歩くたびにまたイヤな足音がする。


 国分と凌羽は現場検証のじゃまにならない距離までくると、そのようすをながめていた。


 すると、その間を埋めようと、



「……なあ凌羽くん。君のお父さんってさ、なにしてる人? もしかして、内調のえらい人とか……?」



 国分がたずねてくる。


 彼の中で世欲が頭をもたげ、とっかかりを探ろうというのだ。



「いえ、ちがいますけど。……なぜです?」



「あ、いや、君みたいな若さで内調に籍をおくってすごいことだからね。身内に引きあげてもらったのかなって」



 ひくつな顔でたずねてくるが、



「……つまり、七光り的なことですね?」



 凌羽はにこやかに聞きかえした。



「い、いやいや……気を悪くしないでくれよ」



 悪意のない凌羽の笑顔に、国分の良心がわずかに痛んだ。



「あはは。よくいわれることですからなれてますよ。……まあでも似たようなもので、ぼくを支援してくれた人が内調の人なんです」



「支援?」



「はい。じつはぼく、親がいないんです。火事で死んでしまったそうなんで」



「しまったそう?」



 ひとごとのようないいかたに国分が引っかかる。



「じつは今から八年前、道ばたをふらふらさまよっているところを保護されたんですが、身元を証明するものをもってなくて。そのときはいていた運動靴に五年一組桜洋守凌羽って書かれていたんで、十歳か十一歳だろうということはわかったんですけど……、記憶が無くなっていて――」



「え? 記憶喪失?」



 それ以上の言葉がでない。



 その日は日曜日だった。


 凌羽は近所の公園で遊び、夕方に帰宅した。


 今日の夕飯はなんだろう、と笑顔でマンションのドアを開け、



「ただい――」



 ま、と発声するタイミングで強烈な炎が凌羽を襲った。


 バックドラフトだ。


 炎が室内にあるものを燃やしたことで、いったん酸素がなくなる。


 だが、ドアを開けたときに、酸素があらたに供給され、ガスとからんで爆発する。


 それがバックドラフト現象である。


 凌羽はのしかかるような爆炎と爆風に吹き飛ばされ、通路の手すりで後頭部を打った。


 しだいにうすれていく意識。


 そのとき凌羽が見たもの。


 それは玄関口にむかって倒れた、黒コゲ状態の両親だった。


 ふたりはかさなりあい、こちらにむかって手をのばしている。


 逃げだそうとしたのだろう。


 たすけをもとめていたのだろう。


 その途中で命が尽きたのだ。


 そんな両親が、すさまじい速さで炎につつまれていく。



「あッ……! ああッ……!」



 震える手を両親にのばす。


 だが、とどくはずもない。


 大勢の人の足音と叫び声。


 そして、消防車のサイレンが鳴り響いた。


 その日から数日、凌羽の意識はもどらなかった。


 一週間ほどした早朝、病院のベッドで眠っていたはずの凌羽がいなくなっていることに夜勤の看護師が気づく。


 やがて警察によって保護されるが、凌羽には記憶がなかった。


 過去のことはおろか、自分のことさえもすっかり忘れていた。


 ただ黒コゲの男女がいて、大蛇のような炎の中心から、こちらへむかっての手をのばす悪夢を見るようになった。


 それも両親とのおもいでなのだとかんがえると、恐怖心はなかった。


 むしろそんな悪夢にさえ愛おしさを感じるのだった。


 ただかならず、涙でマクラが濡れていた。



 警察や病院関係者などから聞いた、まだらな記憶をざっと語ると凌羽はさみしそうに笑ってみせた。


 国分はまずいことを聞いてしまった、言葉をなくした。



「それから施設に入って、そこで支援者である内調の人と出会ったんです。それからこの仕事をやらせていただくようになって」



 やや重い空気にしてしまったと感じた国分は、



「で、こういう調査はいつもひとりでやってるの?」



 急に話題を変えた。



「いえ、基本的にふたりひと組なんですけどね、パートナーは今日、夜からライブを見にいくからこないって」



 凌羽も国分の意図はわかったようで、すぐに返答した。



「ライブ? 誰の?」



 どうでもいい話だが、一応、ごきげんをとるために聞きかえす。



「ヴィジュアル・ショッカーズっていうんですけど、ごぞんじですか?」



 きっと知らないだろうとおもっていると、



「知ってるよ! デーヒーとジイタのユニットだよね! かっこいいんだよな~!」



 国分のテンションがあがる。


 意外にもファンだったようだ。



 力強いベースのジイタ。


 妖しげな雰囲気をかもしだしながらも、キュートな一面があるギタリストのデーヒー。


 相反するふたりの才能がぶつかりあい、すばらしい化学反応をおこすメロディーは、年齢を問わない人気をもっている。



「凌羽くんはいかなかったの?」



 という国分の問いかけに、



「さすがにふたりで休んじゃうわけにはいかないですし……。それにボクはどっちかっていうと、頭崎豊が好きなんですよ」



 頭崎豊というのは、かつて十代のカリスマといわれたシンガーソングライターだ。


「十六の朝」や「入学」は大ヒットしたメッセージソングである。


 現在は中高年の悲哀を歌い、多くのファンを獲得している。



「いや~、学生時代に頭崎もよく聞いたな~」



 腕組みをした国分がうなずく。



「国分さんも音楽好きなんですね」



 にこやかにいうと、



「うん。音楽はストレス解消にいいんだよ。オレは結構なんでも聞く派でね、このごろはヨモツヒラ坂46をよく聞いてるなぁ」



 ヨモツヒラ坂46とは若者を中心に大人気のアイドルグループだ。


 年末には紅白歌合戦にも出場している。


 そうしてふたりが事件と関係ない話でもりあがっていると、



「おい、おまえら、いつまでくだらねぇ話してんだよッ! 緊張感をもてよなッ、おんッ?」



 山端がイラ立ちながらいった。


 すると国分が、



「あの人は美空すずめ、ひとすじだからさ」



 小声でいって、すぐに話すのをやめた。



「け。やっぱりガキの使いかよ……。うっとうしい……」



 山端が聞こえるようなひとりごとで毒づく。


 一瞬で場の雰囲気を壊す中年男に、凌羽と国分は閉口する。



「あんまり気にしないでいいからさ。あの人は口が悪いんだよ。無駄に声がでかいし、足は臭いし。それに――」



 いきおいにまかせて文句をいおうとする国分をだまらせるかのように、山端がケータイでしゃべりはじめた。


 突然、勝山署本部から連絡があったようだった。


 そのことに気づいた国分も、なにごとか、と耳をそばだてた。



「――おん? ああ、そうか、わかった。すぐに急行するッ!」



 山端の表情がかたくなっていく。



「おう、署から連絡だッ! 今度は殺人事件だぞッ!」



 山端は国分にむかって声をあらげた。



「えッ? 殺人ッ? 同一犯の可能性はッ?」



「ああ、大ありだな」



 山端はみじかい猪首いくびで何度もうなずきながら、国分の予感を肯定する。



「おし、証拠もだいたいひろったし、こっちはもういいだろ。二、三人残して撤収だッ!」



 殺人事件発生の連絡に、現場が急にあわただしくなった。



「了解。……で、凌羽くんはどうする? 今の電話、この近くでおきた殺人事件の連絡でね、この事件に関わりありそうだけど」



「えッ? じゃ、連れていってください」



「おい国分、そいつを誘うんじゃねえよ、おんッ?」



 凌羽と国分の会話に、山端がいら立つ。



「今度こそじゃましませんので、おねがいします」



 凌羽が手をあわせて頭をさげる。



「け、勝手にしろッ!」



 山端はしぶい顔で了承すると、すぐ背をむけた。


 凌羽は、ほっと胸をなでおろす。


 刑事ふたりは駐車場にむかって歩きだし、凌羽もそのうしろをついていった。



「さ、乗りな」



 古いセダンの後部座席のドアを開けた国分が、凌羽をうながす。



「すいません、おじゃまします」



 頭をさげて乗りこむ。


 なんとなく気まずさがただよい、車内では沈黙したままだった。


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