VSダンダリオン その2
『『『我が名は知恵と知識の神ダンダリオン』』』
多くの人の声のようなもので名乗るダンダリオン。
首から下はただの人間の身体...レメディオスの姿だが顔部分が部屋の天井までつきそうな程の大きさの肉の塊で無数の顔がついているのだ。
「ヒッ!」
沢山の目がグラフィーナに向けられる。
その姿に恐れ慄くグラフィーナは後ずさる。
『『『お前から高貴な匂いがするぞ...お前が贄か!』』』
それぞれの口がグラフィーナに向けて言葉を放つ。
「ち...違う!妾は...ベール神のっ...」
グラフィーナの後ろからチェーンが巻き付けられて、後ろへギュン!と引き寄せらせる。
「偉そうな人ちょい邪魔っす!アンタが贄になったら倒すの面倒っすからね」
サミュエルはグラフィーナをチェーンに絡めたまま後ろへ投げ捨てるとぎゃあ!と声が聞こえるがその辺はお構い無しだ。
「お前武器どうすんだ???」
「やだなー予備くらい持ってるっすよー」
ジョナサンの言葉にサミュエルはそう言うと、右袖からチェーンがスルスルと出てくる。
「さぁ...さっさと倒しましょうか」
ディビッドはダンダリオンにエクソダス1922の銃口を向ける。
『『『貴様彼の神の僕か!!!』』』
ダンダリオンはディビッドを睨みつけ、大声で叫ぶ。
「ええ!私は
ディビッドはニヤリと笑って引き金を引く。
パァン!とダンダリオンの頭に命中させると、ダンダリオンは怒り出す。
『『『知恵知識の神に対して生意気な!生意気なァァァ!!!!』』』
ダンダリオンはそう叫びながら周囲に黒い炎を生じ始めディビッドに集中砲火を始めるが、全てかわす。
「ジョナサン!援護お願いします!サミュエルは動きを封じて下さい!」
「分かった!」
「了解っす!」
ジョナサンは術式を組み、サミュエルはダンダリオンの身体に向けてチェーンで動きを止める。
『『『うぁぁ』』』
ダンダリオンは聖化された銀で加工されたチェーンウィップに苦しめられ、動きが鈍くなる。
『術式解放!ゲシュテーバ!!』
ジョナサンは氷の術式を組み上げ、頭目掛けて放つとダンダリオンの周囲に吹雪が生じ、顔という顔がパキパキと凍りつく。
ダンダリオンは10年前の戦いで氷属性に弱い事は知っている、実は過去の伝承やら封印前の攻撃痕などから攻撃方法や弱点等を掌握しており、それをディビッド達全員頭に叩き込まれているのだ。
しかもたかだか10年程しか封じられず、贄を取り入れて無い悪魔で受肉も中途半端だ。
もがきながらダンダリオンは黒い炎を撒き散らすも、3人はかわす。
攻撃が止んだ時を見計らい、ディビッドは聖典の一節を読み上げ始める。
『雹の災厄は血と淫行と暴力を愛する邪悪な貴様を逃さない!何処に隠れようとも滅びは確実に襲ってくる』
エクソダス1922を向けて雹の災厄の一節を読み上げると天井を突き抜け、大きな雹の塊がダンダリオン目掛けて降り注ぐ!
雹が当たると黒い霧が漏れ出る様にジュウジュウと音を立ててまるで風船が萎む様に萎んでいく。
「何だぁ...あの頭ハッタリっすか~」
「まぁ力を蓄えるには全く時間が足りないくらいですしねぇ」
縮んだダンダリオンにとどめを刺す為、聖典の一節を読み上げる。
『裁き時は来たっ!悪しき者の頭を砕く裁きの鉄槌を!』
裁きの鉄槌の句を読み上げると、光り輝くサンソンの幻影が現れ、ダンダリオンのぶよぶよと萎んだ顔向けて拳が炸裂する。
『『『ギャアアア!!!!』』』
ダンダリオンは叫ぶとジュウ !と黒い霧が充満する。
「やったっすね」
とサミュエルがチェーンを戻しはじめた時、ソレは天井を突き抜けやって来た。
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