貴方偽物ね! その2

「一体何の用なの?」


「あーさっき言った通り、ディビッド坊ちゃんの想い人ってどんな女の子かなって興味があっただけっすよ~」


と言って勝手に私のベッドに座っちゃう。


「こんな夜遅くに訪れるのは不謹慎だわ!」


「でも坊ちゃんに対しては許してるんでしょ?」


ニヤニヤとサミュエルさんは笑いながらそう言うわ。


「...だってほぼ毎日勝手にやってくるんだもの...」


「毎日!毎日っすか!あの坊ちゃんが?」


サミュエルさんは目を丸くするわ。


「『ほぼ』よ...ディビッドは一緒に暮らしたいとか言い出してるけどね」


一応訂正しておくけど...ベルガモから王都に戻ってから回数が増えているのには間違い無いのよね...それこそ1週間に5日くらいの頻度には...うーん....


「一緒に暮らしてさっさと子作りすりゃあ良いじゃないっすか?」


ダイレクトに子作りとか言ってくるサミュエルさんに動揺しちゃう!


「子作り???そ...そもそも一緒に住むってそんなに簡単じゃないし、私は上位貴族だから今の立場とかいろいろあるから...」


何とかはぐらかそうと思うけど...何だかドツボにハマりそう...ううっ


「お貴族様なんて面倒くさいっすね...しかし夜やって来るって事は...」


何か察したのかヘラヘラ笑ってるんだけど!


「恥ずかしいからあんまり男女の事は詮索しないで!それにディビッドはかなり嫉妬深いから早くここを去るのをお勧めする...って!ヒッ!」


バルコニーにディビッドが...しかも相貌が真っ赤で光ってるぅ!!!すごい怒ってるわ!!!


「ん...あーやっぱり来たっすね坊ちゃん」


「サミュエル...貴様!」


怖い顔のディビッドがズカズカ入ってきてヘラヘラ笑っているサミュエルさんの胸ぐらを掴むわ!


「私のティナに手でも出しにきたんですか」


低い声でサミュエルさんにそう言い放つ。


「そんな訳無いっすよ~そこのお嬢様まだ若すぎだしぃ~ボクの範囲外っす!そもそもそんなガッツリ契り印仕込んどいてそんな事出来るわけないっすよ」


「では何でここに」


「怖い顔しないでくださいっす!坊ちゃんが夢中になった女の子がどんな子かなって純粋な興味っす、まさか坊ちゃんが人を殺しかねない程怒る姿なんて初めて見るっすけどね~」


うーん...私は何度も見てるけど...普通はそんなに怒らないの???私絡みの時だけなのかしら...


「私に化けてティナに迫ろうとしてたんじゃ無いですか?」


「化けたには化けたけど速攻バレたっすよ~愛ですねぇ...ううっ!」


もう何だかディビッドがサミュエルさんの首を絞めそうな勢いだし大変!

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