姉襲来 その3

「ギャ!ディブ!ティナちゃんから離れろ!ギャギャ!」


ピッピちゃんがディビッドの頭に乗って突っつき攻撃を始めたわ!ええ???お姉様ここにいるのに?


「ピッピちゃんは私の分身でもあるけど、ピッピちゃん自身の自我もあるの...でも何だか私に似ちゃったのよね」


「痛っ!ちょっとピッピちゃん!辞めて下さい!」


ふふふ、とエステルお姉様は笑うけどディビッドが頭をグサグサ突っつかれて血塗れに!きゃあ!


そんな中大急ぎでお店に入って来る人物が...マキシムさんだわ!


「ディビッド!エステル様ここに...いたーーーーーっ!」


エステルお姉様を指差して叫ぶわ!


「あらぁ~バレちゃった?」


悪戯っぽい顔で笑うエステルお姉様にマキシムさんが真っ赤になって怒ってるわ。


「そりゃあ分かりますよ!あいつの変装じゃあお淑やか過ぎですから!」


「全く...サムの変装完璧だと思ったのに...」


エステルお姉様が子供みたいに膨れっ面を作ってるわ。


「全くサミュエルまで連れて来るとか...本国にエステル様も上級異端審問官も誰も居ない状態なんて...」


「サミュエルまで来てるんですか???」


ディビッドは顔を更に顰める。


「まぁ現状エアヴェルド内の悪魔共はほぼ壊滅させてるし、残ってる封印にもガッチリ再封印を施してるから2週間くらいは心配ないわよ」


うふふ、とエステルお姉様は簡単に言うけど大丈夫なのかしら???


あと初めて聴く名前が...


「サミュエル?」


「ああ...上級異端審問官の『青の大鎌』サミュエルという男が居るんですよ...まぁ姉上の影武者です」


「男の人なのに???」


「老若男女関係なくどんな姿にも変われる変装のプロなんですけど...すごい嫌味な男なので...」


私の疑問にディビッドが答えてくれるわ...確かに変装技術持ちは存在してるのは知ってるけどそんな都合のいい変装って出来るのかしら???


「まぁティナは会わなくて良いです...本っ当に嫌な奴なので」


「そうなの?」


「そんな事ないわよ?とてもいい子よ」


「あれは姉上の前だけで猫かぶってるだけですよ」


うーん一体どっちが本当なのかしら...


「そう言えばディビッド...ジョナサンはどうした?」


そう言えばジョナサンの姿が見えないわね...


「あ~ジョニーならきっと...」


とエステルお姉様がお茶を飲みながら上を指さすわ...


まさかジョナサンはディビッドを見逃した刑って言われてエステルお姉様に背負い投げされて(もちろん元の姿でよ!!!)気絶して転がってたなんて...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る