王都へ戻る日 その1

朝早い時間...


駅で王都行きの列車を待つ...もちろん私とディビッド達の四人で...


見送りにパパとお兄様とアンナが一緒でね。


ピッピちゃんはどうしても外せない用事があるからって昨日の夜に帰って行っちゃったわ。


「じゃあまたね!」


「次は陛下の即位10周年式典の時にな」


「その時は二人で王都まで向かうからね、ピエトロにもよろしくね!」


次に二人に会うのは秋に行われるサヴェリオ国王陛下即位10周年式典の時、国中の貴族や諸国の王族が集まる式典の時になるわね、きっとゆっくりはできないだろうけども、家族揃って一緒でいられるのは嬉しいわ。


「姫様!ばぁばも付いていければ...」


「アンナはダメよ...もう歳も歳なんだから...」


「ううっ...姫様があのケダモノに何かされないかと心配で心配で...」


とアンナはディビッドを睨むけどそんな事致しませんよ(嘘)と言いたいような表情をしてるわ...


それにしてもいつの間にかアンナがディビッドの呼び方がジゴロからケダモノに変わってる...


きっと前にキスされそうになった時の事でよね...これ本気で爛れた関係って知ったら大変な事が起こりそうだわ...


「大丈夫よ、じゃあまたね!手紙書くから!」


そう言って列車に乗り込むわ。


「姫様ばぁばは待ってますからね」


「じゃあね!ティナ」


「またな、ティナ」


振り向くと三人は手を振って見送ってくれる。


名残惜しいけどまた会えるしね!


帰り同じ寝台列車...搭乗員の方が同じランクの客室へ案内される...また隣同士なのね。


「じゃあ私たちは二人で...」


とディビッドが腰に手を回してくるわ!もう!


「駄目だぞ、一応エステル様達に釘刺されてるからまず四人一緒だ」


とマキシムさんが腕を組みながらそう言ってくるわ。



「えー」


「えーじゃないんです!もし何かあったら連帯責任で僕達も半殺しの目に会うんです!」


「連帯責任???」


結局私の部屋に四人が入ってソファに腰掛けて話を始める。


「...もし結婚する前にバレンティナ嬢が妊娠でもしてたら、連帯責任って事でエステル様から俺たちも含め直接制裁を受ける事になった...」


「ええっ!」


なんだか大事になってる!


「エステル様は僕たち上級異端審問官四人まとめてかかっても絶対勝てないくらい強いんです...今でも元の姿で受けたあのボディスラムの恐怖を...」


とジョナサンがブルブルと震えながら真っ青になって話すわ...一体どんな恐ろしい思いをしたのかしら...

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