浜辺デート その1
今は屋敷の庭を二人で散策中、大騒ぎが落ち着かないから抜け出しちゃったのよ...
「なんだか大騒ぎになって結婚の話が流れちゃった感じになってしまいましたね...」
「...もう!相談も無く!ちょっと気が早すぎよ?ディビッド?」
そう言うとディビッドはちょっとしょんぼりしちゃう...
「ティナのお兄様、結婚出来るんでしょうか...お兄様が結婚出来なきゃ先が進まないなんて...」
「最終手段でサヴェリオ陛下が王命で何とかしかねないけど...そんな事しないでもお兄様も好きな人が現れて結婚出来ると良いのだけど...」
ただちょっとエルコラーロにいた時から気にはなってたけどお兄様、エステルお姉様の事が好きなのかしら...
しかもマキシムさんも絶対エステルお姉様好きだと思うしどっちを応援すべきか悩んじゃうわ...
まぁ当のお姉様はどちらも眼中に無いのかもだけど...うーん。
「ティナ?考えごとですか?」
ディビッドに顔を覗かれちゃう!もう!
「...お兄様の婚約話は兎も角...もっと私は貴方の事が知りたいわ?」
「私の事ですか?」
「そう、だって将来一緒に生活するんですもの、貴方は何が好きで、どう言った事を喜んで、どんな事が嫌なのかよく知りたいもの?」
そうよ...まだ出会って数ヶ月しか経ってないんだもの...もっとディビッド...貴方を知りたい...
「そしていろんなことを二人で体験していきたいの...」
ディビッドの手を取り笑顔を見せるわ。
「ねぇ、今から二人で海に行かない?今から向かえば夕日見れるから...綺麗よ?」
「ええ!」
ディビッドは笑顔で頷くわ。
───
家の者には黙って(アンナがきっと怒るから)こっそり二人で抜け出して海までの道を歩くの。
だんだんと日が暮れていく中で、海まで続く道を二人で手を繋ぎながら歩いてる...
いつも通りの街の風景を見る...この平穏は守ってくれたこの人がいてくれたお陰なのよね...
「ディビッドありがとう、ベルガモを守ってくれて」
「だってティナの生まれ育った場所ですし...この風景を壊したくは無かったんですよ」
ディビッドはそう言って街並みを見つめてから此方に目を向けてくれる。
悪魔との戦いの時ってディビッドはお構いなしに結構あちこち壊しているけど、今回は浜辺で戦ってくれたから街には被害が無かったのよね。
「ありがとう...でも他の場所でも同じくらい気を使った方がいいと思うわ?」
「んーまぁそれはその状況ですかね」
「もう!」
そう言いながらもクスクスと笑ってしまう。
波の音が近づいてきたわ...
「そろそろ到着ね」
浜辺が見えてきたわ!
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