エルコラーロに安寧を その5
そうつぶやくと急にディビッドが駆け寄ってきて抱きしめるわ!
「きゃあ!」
「...良かった...完全に乗っ取られたかと思いました...ティナ...」
ぎゅうっと強く抱きしめてくるわ...もう、心配性なんだから。
「...大丈夫よ、だってあの子いい子だもの」
乗っ取られたって言われてもそんなに嫌な感じじゃなかったしね...
「あの子って...あの方五人子供産んで80歳まで生きた方ですよ?」
もう...そんな事言って!
「女の子はいつだって女の子よ?たとえ年をとっても子供が産まれても」
そうよ!女の子はずーっと女の子のままなのよ!
「...そうですね」
ん?何かちょっと手がお尻に向かって不埒に動いてる気が...
「ちょっと...みんなが見てるからそろそろ...」
そう言った時に急にディビッドから引き離される!
「ディブ...貴方またティナちゃんに!」
エステルお姉様がディビッドの首根っこを掴んでるわ!
「えええ!ここは普通良いところじゃ...」
怒りの形相のエステルお姉様にディビッドが真っ青になってるわ!
「どう見てもお尻触ろうとしてたでしょうが!この子ときたら!」
とエステルお姉様がディビッドを軽々持ち上げて、お姉様の肩の上にディビッドを仰向けに載せて顎と腿を掴んでるわ!あれってアルゼンチン・バックブリーカー!!!
あんな細身でディビッドより頭ひとつ分背も低いし華奢に見えるのに!ええええ!!!!
「わぁ!!!!姉上っやめてくださいっ!いたたたっ!」
ディビッドが背中を弓形に反らせて痛がってるわ!大変!!!
「我が弟とは言えハイラントの祖たる偉大な預言者様に対しての不敬!ティナちゃんにセクハラかます愚行!許すまじ!」
「きゃあ!お姉様辞めて!」
『エステル様!ヤバいヤバいっ!ディビッドが泡吹いてる!』
ジョナサンがが慌てて止めようとするけど止めようとしないわ!!!
「大丈夫よ!倒れても速攻復活させるだけ!」
「流石に大勢が見てる中でエステル様の威厳が!」
マキシムさんも止めようとするけど全くお姉様は止める気がないみたい。
「てぇい!」
「ぐはっ!」
エステルお姉様がトドメを刺してしまったのか、なんだかバキッってとっても嫌な音と共にディビッドががくりと気絶しちゃったわ!大変!!!
「きゃあ!ディビッド!!!」
投げ捨てられちゃったディビッドに駆け寄るけどぐったりしたまま息してないわ!
「ディビッド!死んだか???」
『あーあ...やられちまったか...』
マキシムさんも真っ青だし、ジョナサンは諦め顔で駆け寄ってくる...
「死んだって???え!ディビッド!ディビッド!!」
ただただぐったりしたディビッドの身体を揺さぶりながら叫ぶしかできなかったわ...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます