お茶にしようね! その2

「お招き頂き感謝です」


ニコニコ顔のディビッド...横にはヒヤヒヤ顔なマキシムさんと何だか申し訳無さそうな顔のジョナサンの3人が目の前に...


パパからのお茶会参加...アンナはディビッドに睨みを効かせてるし、パパはいつも通りのニコニコ顔。


「いやぁ王都ではティナがお世話になってる様で~」


「いえいえ、バレンティナ様にはこの子の家庭教師して頂いて本当に助かっているんですよ~」


と何だか当たり障りのない会話をし出してるけど...何か急に言い出すんじゃ無いかともうヒヤヒヤして冷や汗ばかりが出るわね...まぁきっとそう思ってるのはマキシムさんも同じだろうし...


「いやぁなかなかベルガモは海も素敵だし良いところですよねぇ」


「いやぁちょっと前まで海賊出ていて...あ!昨日はバレンティナを守ってくれてありがとうね!」


「いえいえ、当然の事をしたまでですから!」


「いやぁまだ残党がいたのもだけど、不思議なものであの後全員何かにやられて簡単に一網打尽になったらしいけど、おかしなことにみーんな『イナゴにやられた!』って言うんだよねぇ」


ってパパの言葉にお茶をむせるマキシムさん。


あーこれはディビッドの仕業って事ね...きっと昨日の夜に司祭服投げっぱなしで寝てたのも...うう...思い出したら恥ずかしくなって来ちゃったわ...


「いやぁこんな海沿いでフナムシに襲われるならわかるけどイナゴなんてねぇ~」


とのほほんと話すけど、パパもなかなか天然よね...


「でもそのお陰で安全が守られたのなら浜辺で心配なく遊べそうですね!」


「そうそう!砂浜も綺麗だしおすすめだよ~君もなかなかの男前だし街の若い女性と出会いとかあったら誘ってみるのも良いんじゃないかな、あはは」


「あ!でも私は一途なんで、心に決めた人がいるのでその人とって決めてるんです」


と言って此方を蕩けるような瞳で見つめてくるわ...


「それは良いねぇ!へぇ...君みたいな人が一途に思う女性ってどんな人なんだろうね」


「そうですね、とても可愛らしくて頭も良くて正義感もあってすごく優しくて、甘いお菓子が大好きで...」


ディビッド!パパじゃなくて私をエッチな目で見ながらそんな事言い出さないでぇ!


「姫様!顔真っ赤ですよ、日に当たりすぎたのかも!お部屋に戻りましょ!元々お身体は弱いんですから!」


とアンナが心配して、引っ張って行くように部屋に連れていかれちゃったわ。


「あのジゴロめ!こんな純情な姫様に色目を!」


そのままベッドに横にさせられておでこに冷たいおしぼりを置かれちゃったわ...


「そんなに心配しなくても良いのよ...」


「ばぁばは姫様が心配で心配で...本当は王都にだって一緒にと思ってたのに...あと10歳若ければ...」


「アンナは引退しても良いくらいの年だもの...王都は遠いし...パパ心配してるのよ」


だって68歳なのよ...そろそろのんびり生活したいと思うのよね...


「いえいえまだまだ現役バリバリですから!」


と元気いっぱい...アンナはやっぱり元気ね...

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