まずいわ...新たな扉を開かせてしまったみたい
ジョナサンに丁度あつらえたかのようなウエイターの格好...如何にも新人っぽいわ!
「ウエイターの格好似合うわね!ジョナサン!」
スザンナがその姿を見てそう褒めてる事にもじもじしているわ...
「ぼくに...できるかな...」
「何事も練習よ!ジョナサン!私もサポートするから!」
こっちは一生懸命頑張り屋さんなジョナサンを褒め称えてるのに、ディビッドときたら自分で言っておきながらその姿を見て笑いが止まらないのか、部屋の隅で肩を震わせながら笑っているわ!もう!
ちなみに私もウエイターとしてサポートする事にしたのよ、まぁ変装ありきで下手に女の子達の嫉妬が怖いから...っておやや???ディビッドが急に服を差し出すわ!
「ティナはこっちです!」
ニコニコしながら可愛い可愛いフリルの入ったエプロン付きの、水色のストライプの胸辺りにもフリルがあしらわれてるミニスカートのウェイトレス服を渡そうとするけども...っていつ用意してたのよ!
これ絶対何かのプレイを考えてたんでしょ、もうっ!エッチなんだから!
「ダメよ、私は男の子の格好になるのよ???」
「えーティナ可愛いじゃない!」
スザンナも可愛い服に目を輝かせるわ!
「ダメダメ!だって女の子の格好じゃお客さんの女の子達に殺されちゃうわよぉ!」
お客さんとしてお店に来てる時、ディビッドからのアクションがあると、みーんなこっちをすっごい怖い目で見るのよ!
でも何だかディビッドとスザンナの残念そうな顔が...うううっ...
そんな時ふと茶色のカツラを思い出す!
「分かったわよ...じゃあ私はディビッド、貴方の妹って事にしてね?ね?お兄ちゃん?」
とカツラを被って笑顔でそう言うと、ディビッドが顔は真っ赤で目をまん丸くして、心臓部分に手を当ててるわ...え?
「妹...お兄ちゃん...ううっ...それはそれで萌える...」
まずいわ...新たな扉を開かせてしまったみたい...変なプレイを強要されなきゃ良いんだけど...
『あいつ末っ子生活が長げぇから...』
ジョナサンがエアヴァルド語でドン引きしながらそう呟いたわ...
─
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃい...ませ...」
「もう!もうちょっと元気に挨拶よ!」
入り口で挨拶してお客様を空いてるテーブルへ誘導して注文を受ける係(それ以外は許してくれなかったわ)を2人でする事になったわ!
結局フリフリエプロンの可愛いウエイトレスの服を着せられ...2人に可愛い可愛いと言われ...うーん。
でジョナサンが「これ使って」と髪留めの紐を貰ったんだけどこれで髪を縛るとなんと髪の色が茶色に変わったの!すごい!
だからポニーテールにしたけどディビッドが「うなじが...」とか言い出す...うーん...。
で、近くで何故かディビッドが「私の妹と従兄弟なんです!」とニコニコしながらお客様に紹介するのは何故...そのせいか...
「ディビッドさんの妹さん!お兄さん誰かと付き合ってるの??」
「ディビッドさんって何が好きなの???」
「ディビッドさんの好きなタイプとか教えて!」
だのそんな話ばっかり...うううごめんなさい!
でウルム語の勉強の為に頑張るジョナサンはオドオドしながら、お客様の注文を聞いてはモタモタとメモを取るわ。
「ええと...アップル...ローズパイ???とフルーツロール?」
「ごめんなさいね、この子まだウルム語に慣れてなくて、アップルローズパイとフルーツロールケーキですね!」
と聞き直してジョナサンにメモを取らせたの。
でも何だか女の子達、中性的でオドオドモタモタしているジョナサンの事を可愛い可愛い!と言い出してるわね...あれかしら?母性本能??
「お兄ちゃん、注文入りましたっ...ええ???」
メモを渡しに行ったら厨房でディビッドが顔を覆いながらしゃがんで悶えているわ!
「お兄ちゃんって...ううっ可愛い...」
そんな事ぶつぶつ呟いてる...うわぁ...重症ね...
「ティナさん、オーナーが全く役に立たないんですけど...」
スタッフの方々がそんな事言いながら苦笑いしてる...うーん、これは完全に失敗かも...
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