chapter1:Honeymoon time

何故貴方の部屋にいるのかしら?

ーおかしい...なんで我が家たるタウンハウスじゃなくて『フィオーレ・ビアンコ』2階のディビッドの部屋に私はいるのかしら...


しかもピッピちゃんも『ピッピちゃんはお疲れだから別の部屋にね』って言われてこの部屋にいないし...なんかちょっとピッピちゃん騒いでたけど...


「お腹空いてますよね、ティナ」


簡単なものしかできないですがね、言ってテーブルには春キャベツとベーコンのスープにふわふわオムレツとサラダにクロワッサンが用意される...しかも短時間でさくっと作ってしまうとか...めちゃくちゃいい香り...美味しそう...


テーブルに向かい合って遅めなディナーを頂く事になったけど...すごい美味しいけど...なんで2人だけで食べているのか???


「口に合います?」


「とっても美味しいわよ」


なんでこんなふわふわなオムレツできるの!美味しい!


「良かった!食べ終わったらデザートも用意してるからね」


ニコニコとディビッドは笑顔を見せる...まじまじと見るとやっぱりカッコいいわよね...なまぐさの癖に...


ディビッドは司祭服を脱いで白いシャツと黒いトラウザース姿にモスグリーンのエプロンを見に着けている、それにしても何着ても似合うわね...ってそういえばずっと私エスタバン様の所で無理矢理着せられた無駄に胸元が見えるやや薄地なネグリジェのままだわ!


急にこんなはしたない格好であった事に気がついて顔に血が昇ってきちゃうわ!


「その姿も魅力的ですがその姿のまま戻るといろいろ邪推されますし、明日別な物を用意致しますので今日はここで一晩過ごしてから戻ればいいですよ」


そう言って食べ終えた食器をさっと片付けてデザートのプリンを用意してくれた!しかもフルーツやクリームを添えてる!


「わぁ!」


つい声が出てしまう!だって美味しそうなんだもん!


「ティナは本当にデザートが大好きなんですね」


「女子は甘いモノには目がないものよ...それに貴方が作ったデザートとびきり美味しいし...」


「ふふ、かわいい」


向かい合う椅子をずらして私の横につけて座ったと思ったらそのままスプーンでプリンを掬い私の口に入れてくる。


「一人で食べられるわよ...むぐっ!」


美味しいプリン、固めで卵の味とちょっとほろ苦なカラメルソース、そして生クリームがいいハーモニーになって口に広がる...美味しい!


「別にこんな風にしなくても...むぐ!」


今度はいちごと一緒だ!甘いばかりじゃなくて酸味で爽やかになるのもいいわね...て違う!


「こんな給餌みたいなことを...むぐ!」


そうやって何か話そうとしては口に入れられてしまい、結局全部食べ切ってしまったわ!


「ティナ、唇にクリームついてますね」


そう言ってディビッドはそのままキスをしてくる!


「んんっ!」


まるで食べられちゃいそうなキス...3回目の...唇へのキス、舌を絡ませてそしていつの間にか左手の指を絡ませてきた...


そういえば最初っからディビッドはこうやって口の中を蹂躙するようなキスをしてきたわね...身体中が熱くなってきたわ...


暖かい指の感触...ちょっとゴツゴツしているのはやっぱり鍛えているせいなのかしら...


唇を...絡めた舌同士を離すとニッコリと此方を見つめる。


「ティナ、愛してますよ」


ディビッドの言葉は甘い...でも本当にそれでいいの?


「ねぇ...私でいいの?ただ預言だからって言われた私にそんなに価値のある女の子なのかしら...」

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